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読書note⑨ 『史上最強の哲学入門 東洋の鉄人たち』

【タイトル】 史上最強の哲学入門 東洋の鉄人たち
【著者】     飲茶
【ツール】  Kindle
【読了日】  2022年10月

オススメ度 ♡♡♡♡♡


数年前、カルチャーセンターで「西洋哲学と東洋思想」という講義を受けたことがある。

客観的で誰もが納得するような普遍的真理を探求していく、いわゆる「哲学」と呼べるものは東洋にはない。
東洋においては普遍的な真理を求めるのではなく、人それぞれに解釈もアプローチの仕方も異なる主観の中に真理があると考えているから、「哲学」というより「思想」と呼んだ方がいい。
まあ、ざっくり言うとそんな内容だった。

しかし、どこまでが東洋でどこまでが西洋なのだろうか?
友人がヨガ哲学に精通していることもあり、彼女から話を聞くたびに、西洋と東洋における思考回路の違いというか、価値観や考え方の違いをより深く知りたいと思うようになった。

そこで出会ったのが、この本である。
飲茶氏の「西洋哲学」バージョンがとてつもなくわかりやすかったので、何の迷いもなく手に取った一冊だ。

そして、これは本当にすごかった。

私が何度聞いてもいまひとつわからなかったインド哲学の流れや、仏教や儒教の教えの系譜など、ずっと頭の中で絡まっていた糸がするすると解けていくような感覚だった。
難解なインド哲学を、ここまで丁寧に順を追ってわかりやすく解説している本がほかにあるのだろうか?

仏教における「お経」の役割や、般若心境にこめられた深い意味なども興味深かった。
西洋では哲学とキリスト教は対立関係にあったが、東洋においては共存…というより、もはや同化しながら発展してきたのだということもよくわかった。
哲学を「理解する」ことと「悟る」ことは全く別の話だ、ということも。

まだまだ理解しきれていない部分がある気もするので、こちらを定期的に読み返しつつ、別の東洋哲学本にもトライしたい。

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