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アートと社会福祉が融合? 「しあわせな」地域の未来を目指して開く新しい扉とは

基弘会は法人設立から20周年を迎え、周年記念事業として社会福祉法人×アーティストとのコラボレーション企画を行っています。

この取り組みのテーマを「ここまで、こだわる地域連携」と題し、地域で暮らす様々な方々とのつながりと、基弘会の目指す『しあわせな』地域の未来を表現して欲しいと、アーティストの方へ作品作りをお願いしました。

なんでこんなことしているの?と、ギモンに思われるでしょう。

私たちも、全てを理解しているわけではありません。もしかしたら、まったく意味のないことなのかもしれません。
ですが、全ての物事にはきっと意味が存在し、起こした行動は何かの縁を繋いでいくということを、私たちはこの20年の中で感じてきたからこその本企画です。

多様な背景を持つアーティスト リヴァ・クリストフ

リヴァ・クリストフというアーティストをご存じですか?
ストリートアートに由来し、様々な作品を生み出している若き芸術家です。

フランス人の父と日本人の母を持ち、日本で生まれ、フランスへも行き来しながら育ってきたそうです。学生時代には中国で過ごしてきましたが、コロナ禍をきっかけに今は日本に居を構え、精力的な活動を続けています。

リヴァ・クリストフ氏とお父様のリヴァ・フランク氏

普段は、自然にわいてくるイメージを色々と表現しているといい、常識にあまりとらわれない個性的な作品が多いリヴァ氏。
アートですから好き嫌いは分かれるかもしれませんが、見れば見るほど人を惹きつける不思議な雰囲気を持っていること、何より彼の作品をひと目見たらば、脳裏に焼き付いて離れてくれない力強さもある。彼の作品はそんな魅力を持っているのです。

高知県のぶんたん工場外壁アート。とても工場とは思えないデザイン!

「最近の作品には、意識せずに『輪』のイメージが多くなる」そう語るリヴァ氏、実はもうすぐ一児のパパになるのだそうです。

「直接的に輪廻転生などを表現しているわけではないけど、生きていることは、人のつながりとか、生まれてきたことの意味とかを感じることが多い。それが自然と絵にも現れて、「円」「ループ」といった表現になってきているように思います。

9月には東京の六本木で開催されるアートナイトというイベントでも作品を出展しますが、その作品もテーマが「ループ」。つながったり繰り返したり、戻ったり…。最近は作品を通してそこにある真理を追及したりしています」

そう聞いて彼の作品を見ると、なるほどと感心させられつつ、彼から生まれる感性がどこから由来するのか、彼自身にもとても興味がわいてきます。

「現在は、高知県に住んでいます。そこは祖父母が住んでいて、小さいときからよく通っていたところ。都会ではなく、日本の原風景が残っている地域です。
日本、フランス、中国…。いろんな文化で育ってきたし、多様性が自分の中に当たり前に存在していて、そこから生まれる感性があるのかもしれない」

笑顔でそう語るリヴァ氏はとても穏やかでやさしさにあふれた人でした。
SNSやホームページなどはお持ちでないそうなので、彼のことをもっと深く知りたい方は、インタビュー記事などがあるので、ぜひそちらもご覧ください。

https://paperc.info/on-site/2111_riva-christophe

テーマは「曼荼羅」

今回のテーマ「ここまで、こだわる地域連携」を表現していくため、曼荼羅の模様から着想を得て、全体を通して円形の絵を展開する予定です。

なぜ曼荼羅なのか?

そもそも曼荼羅は密教仏教の宗教画で、仏の悟り、宇宙の真理、極楽浄土の姿を表した物です。円には中心があり、その周りを囲むように絵が描かれていて、調和と連携の構図があります。

最近では曼荼羅模様の絵を「クスリ絵」とも呼び、その絵を見ているだけで体調や心理状態を整える効果があると言われています。
そのため福祉や医療とも関係性が深いものとして、プロジェクト全体に曼荼羅/円を基調として進めていきます。

リヴァ自身も、今回は自分への挑戦と捉えて下さっており、彼自身の新しいスタイルを模索する場ともなることや、基弘会のちいきのきずなを表現して得られるものが、私たちにもきっと新しい感性に気づかせてもらえるものになると楽しみにしているのです。

作品は大小さまざまな表現になっていくと予想していますが、おそらく一番大きな作品が、特別養護老人ホーム夢の箱勝山の施設外壁に施す壁面アートです。

そこから、次々に基弘会の事業所へテーマに沿ったアートを表現していく予定です。

全貌が見えてくるのはもう少し先になりそうですが、非常に興味深い曼荼羅アート、楽しみです!

すべての作品が完成したら、こちらのマガジンでご紹介させて頂きます。

基弘会×リヴァアートが育む、ちいきのきずな

アートには作り手のメッセージやモチーフ、想いが込められています。それはときに人を惹きつける魅力を与えます。

介護業界は、大切な家族や自分自身が要介護状態になるまで、関わることを考えたことも機会もなく、元気な時には興味関心を持ちにくい業界ではないでしょうか。

でも、介護サービスがどんなものか、事業所ごとに違うサービスの特徴をよく知っておいて、いざというときに「ここのサービスを使いたい!」と選んで頂けるように、私たち介護業界は自分たちの良さや考え方をしっかり発信し続けなければいけないと思っています。

アーティストとのコラボレーションで発信されるメッセージは、直接的な広報活動ではありません。ですが、そのアートを目にした方が、「素敵だな」とか「ここは何?」と興味関心を持っていただくきっかけとなり、それまで関わりがなかった介護業界に興味を向けて頂く機会になるのではと信じ、本企画を進めています。

基弘会×リヴァクリストフが新しい社会福祉の扉を模索している、そんな活動だと思っているのです。

どうぞ今後にご期待ください!

#アート #社会福祉#芸術の秋

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