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高校生の時に魅せられた異空間「純喫茶」の楽しみ方

こんにちは。初めまして、基弘会編集部のウチヤマです。
突然ですがみなさんは純喫茶に行かれますか?

普段行かない場所は緊張するもの。急に入っていいのか分からない外装、人の少ない店内…でもちょっと気になる…引っ込み思案には少し入りにくい、これが私にとっての純喫茶のイメージでした。

しかし高校生の頃、母に連れられて純喫茶に行ったことがきっかけで、レトロな喫茶店に心を奪われました。もっと他の店にも行ってみたい…!そう思う反面、未知の世界に飛び込むことはとても怖くて一人では中々行けませんでした。とはいえ高校生にもなって毎回母について来てもらうわけにもいきません。

今日はそんな高校生が純喫茶に怯えながら入ったときのお話をします。

純喫茶って何?

その前にまず純喫茶ってなに?と思っている方もおられるかもしれませんので、「純喫茶」の定義をお話しします。
私もこの記事を書くまで、なんとなく昔から営業していてレトロな雰囲気のお店が純喫茶、現代っぽいお店がカフェというイメージでした。

でも調べてみると法律上で明確に決められた基準があるようです。
飲食店営業許可を取得しているのがカフェ。飲食店営業許可を取得しておらず、喫茶店営業許可を取得しているお店が喫茶店や純喫茶と呼ばれています。
飲食店営業許可は喫茶店営業許可と比べて取得するのが難しく、その分できることや出せるメニューの幅が広いそうです。

そして喫茶店営業許可だけを取得している喫茶店や純喫茶では加熱調理のみが可能で、カフェでは凝った料理やアルコールを提供することができます。
https://hollys-corp.jp/about_coffee/20190903850/より)

このようにカフェと喫茶店・純喫茶では提供できるメニューにも違いがあるようです。

ただ、法律上では純喫茶だけど店名には〇〇カフェと書いてあったり、カフェだけど〇〇喫茶店と書いてたりもするそうです。
なので、結局は店主に聞いてみないと違いが分からないなと思いました。

そして大正時代から昭和初期の喫茶店では女性の店員が過剰なサービスを行うことが増え、そういったお店と区別をするために、純粋にコーヒーや軽食を楽しめるお店を純喫茶と呼ぶようになったそうです。
https://hollys-corp.jp/about_coffee/20190903850/より)

ここまで調べて、今まで純喫茶だと思って通っていたお店が、実は法律上ではカフェだった!なんてこともありそうだと心許ない気持ちになりました。何を隠そうレトロなカフェは全て純喫茶だと思っていましたから。
まぁもし、お気に入りのお店が法律上では純喫茶じゃなくても関係なしに通うんですけどね。

ここまで法律上の基準をお話しをしましたが、私の記事で登場する純喫茶は昔ながらのレトロな空間で飲み物や食べ物を提供しているお店だと考えて頂けると幸いです。

友人と初めて行った純喫茶

さて、カフェや純喫茶・喫茶店の違いが分かったところで私が高校生の頃に友人と初めて行った純喫茶についてのお話に戻ります。

まず純喫茶ってめちゃくちゃ入りにくくないですか?
パッと見て営業してるのか分かりにくかったり、常連さんが多そうで新参者が入る隙なんて無さそうだったり……。
とにかく人と話したりコミュニケーションを取るのが苦手な私は気軽に入りにくかったのをよく覚えています。
友人と行った純喫茶は高校の最寄駅のすぐ隣にあり、登下校のたび横目に見ていました。
そして、内気な高校生には入りにくいオーラを放っていました。

でも、初めて母に連れられて純喫茶に行ったあのドキドキした気持ちが忘れられない…!もっと他のお店も見てみたい。そうは思うものの一人で行く勇気は無い。

ということで、友人を誘って一緒に行くことにしました。
趣味嗜好はとても合い、社会人になった今も仲良くしてくれる貴重な友人です。

ただここで問題が一つ、友人は人見知りでした。純喫茶に行きたいと言った時も、「一緒になら」と承諾してくれましたから、友人を盾にして入店する作戦は出来ません。それでも一人で行くよりかは心強いです。

ところが、休日の朝早くに待ち合わせをしたのにも関わらず、約束の時間よりも早くに友人は駅前にいました。聞くと朝ごはんも食べずに家を飛び出して来たそうです。私よりも楽しみにしてることを少し嬉しく思いつつ、先に店内に入らないで待っていてくれたことに感謝しながら目当ての店に向かいます。

店の前で一瞬止まって「営業してるよな…?開けて良いよな…?」と話し、ドキドキしながら扉を開けると、コーヒーの良い香りが鼻腔をくすぐりました。

気軽に非日常を楽しめる場所

店内を見ると誰もおらず、一瞬不安になりましたが、少し待つと店の奥から人が出てきました。

「どこでも好きなところに座ってね」と声をかけられ、今も営業していることにホッとしました。そして、コソコソと友人と相談してぎこちない動きで窓際の席に座りました。
店主からするとあまり感じの良い客には見えなかったかも知れません。でも、人見知りの二人組は慣れない場所で粗相をしない様に必死でした。

席に着いてメニュー表を見て、めちゃくちゃ悩んで友人はモーニング、私はクリームソーダを注文することに。
押したら店員さんが来てくれるボタンなんてものはありません。「すみません」の一言を出すために心の中で何度も練習をして、小さな声で店主を呼んで注文をしました。

注文をしてひと段落すると、少しずつ落ち着いてきました。
改めて店内を見ると、見慣れない昭和レトロな内装。中々見ることのないミッドセンチュリーな照明や鏡や窓が私の日常から少しずれていて、テーマパークに行った時に似た高揚感が味わえました。
そして、この空間だけ止まっているように見えた時間は、細かな傷のあるテーブルや椅子がちゃんと動いていることを示していて、言葉では言い表せない感情に包まれました。

暫くすると、注文したクリームソーダとモーニングが届きました。出してもらったものをすぐに食べないのも申し訳ないので、手早く写真を1枚撮ってクリームソーダをひと口飲みました。
ふと目の前を見ると、さっきまで借りてきた猫のようになっていた友人が幸せそうにトーストを頬張っている姿が。その顔を見て僅かに残っていた緊張もほぐれ、ゆったりとした時間を過ごすことができました。

友人との純喫茶で少し成長

友人と初めて二人で行った純喫茶は、かなり緊張していてぎこちない動きをしていたと思います。でも一度足を踏み入れるとそこにしかない世界観に虜になる魅力がありました。

そんな私も、いまとなっては知らない街に1人で行って純喫茶を探しては楽しんでいます。

もし純喫茶が気になるけどちょっと怖いと思っている人がいたら、是非誰かとビビりながら行ってみてください。身近な場所にある非日常を味わえてとてもおすすめです。

これから本格的な夏がやってきます。お出かけ中の水分補給や休憩に気軽に立ち寄ってみてください。きっと違う世界に来たような感覚を楽しんでいただけると思います。

そしてもし行った先に、ソワソワして挙動不審な人がきても暖かく見守って頂けたらと思います。

Text bt ウチヤマ

#純喫茶 #喫茶店 #カフェ #クリームソーダ #レトロ #昭和

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