自動運転車と事故責任とメーカーと運転手

自動運転の実用化もだいぶ現実味を帯びてきた。2020年には自動運転車によるタクシーを実現するという声も聞こえる。

さて、表題の通り自動運転車による事故が起きた場合、その責任はどこにあるのだろう?通常、自動車事故が起きた場合、機械的なな問題でもない限り、その責任は運転手にある。機械的な問題であればメーカーの責任でリコールとなる。では自動運転ではどうなるのか?自動運転による事故は自動走行プログラムに問題があることにより生じることだろう。所有者が車に乗っていても所有者の操縦によって事故が起きているわけではない。プログラムの問題であるから機械的な問題と同様にメーカーの責任と見える。しかし自動運転車の事故責任をメーカーに押し付けた場合、メーカーには自動運転車を市販するリスクが大き過ぎる。かといって所有者は何もしていないのに責任を問うのはしっくりこない。

賠償の面で考えると、これは保険で解決することができるだろう。しかし、相当な自動運転の精度にならないと保険も作れない。

保険で賠償金の支払いがされたとして、一つ考慮すべきことがある。日本人は誰かに責任を負わせて責めなければ気が済まないというのが性である。所有者の責任でもない、メーカーの責任でもない、でもとりあえず賠償金は保険で賄う、という形では済まないだろう。そこで責任の所在をハッキリさせる必要がある。責任の行き所は所有者だ。完全な自動運転では責任を負わせ辛いので半自動運転にし運転手を責任者とする、ということになるだろう。

詰まる所、自動運転は技術的に実現可能だが、社会的には実現不可能なのだろう。人がロボットの面倒を見なければならないのが世の常である。

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