📢健常者の中で暮らすということ（小学校）

軟骨無形成症という病名を貰い、差別もなく、ほとんど区別もない幼稚園時代を過ごし、一緒に笑いあったり、思い出作りに一生懸命楽しめていた時期がありました。
初めての広がった世界から、もう一段階大きな世界へ…。

◆健常者の中で暮らすということ

小学校に入ると、お兄ちゃんやお姉ちゃんがいるお子さんは、とくに言葉や仕草、考え方なとがはっきりしていて、人との接し方も個人差はあるものの見様見真似で成長の早さを感じます。
そうなってくると、今まで気にしなかったことや気づかなかったことだったものが気になりだし、考える前に言葉にしてしまうことなども多く見られるようになりました。
幼少期の頃は、周りのお子さんとそんなに極端に大差はなく、平均体重と平均身長の範囲ギリギリをキープしていたのですが、年齢とともに周りのお子さんとは差が出始め、頭の大きさと上半身と下半身のバランスもかなり崩れはじめ、歩いているだけで目立つ存在となりました。
小学校の入学式では、出迎えてくれた上級生のお兄ちゃんお姉ちゃんの視線は釘付けになり、始めて感じる体形の違和感からコソコソ話や覗き込む姿が見られました。同級生やその保護者の方も先生も我が子をしっかり捉えていました。

合併症が軽い次男くんは、長男くんが通う同じ小学校へ進みましたが、もちろん希望すれば特別支援学級も可能ではありましたが…家族と幼稚園、そして区役所の障害課の方と相談し、通級学級※で大丈夫ですと判断していただきました。

※『通常の学校』に在籍しながら障害の状態に応じた指導を受けられること

ただ、ここで言われたこと…
周りが普通の健康なお子さんなので、本人にとっては区別されることや周りのお子さんとの関わりで、差別されることも多くなります…と。
いわゆる傷つくことが増え辛い思いもするかもしれませんが、いいですか？ということです。
（もちろん、そんなときは学校側もしっかり対処いたしますとおっしゃってくださいました）
しかし特別支援学級に入ると、まずそのようなことはありませんが、次男くんの場合は逆に特別支援学級の中では健常者の立場に近いので、本人にまた違った思いが生まれるだろうなと感じていたのです。（その事はいずれお話いたしますね）

こうして、通級学級を選び通うことになった次男くん…ここでも長男くんの我が道をいくマイペースさに、本当に助けられました。周りと別に比べない、自分が楽しいことに夢中になる、かといって周りに気を配らないわけではない…その絶妙さ加減が次男くんの小学校への不安を取り除いてくれてるように感じていました。（ありがたや～）

でもやはり、小学校生活は無傷ではありませんでした。幼稚園からのお友達は数名ほど、ほとんどが新しいお友達です。ジロジロ見られることは当たり前ですが、言われたくないことや、言われてもどうしようも出来ないこと、歩いているだけで指を差されたり笑われたり…小さな傷や大きな傷が心にいくつも出来てしまいました。
小さい傷で言えば…例えば、背が低いためジャンプをしても届かないギリギリのところに私物を置かれるとか（しかも、ちょっと見えるように…）、下校時にみんなで走って帰ると、歩幅が小さいためどぅしても追いつかなくて１人になっちゃうとか（それを遠くから見て笑っているのが面白いようてす）…本当に絶妙なところを攻めてくるのです。
もちろん、守ってくれる友達も何人も居てくれました。その子達のお陰で笑顔で卒業できたのは確かです。今でも繋がっていてくれることは次男くんにとっての財産ですし、感謝すべきことだと思っています。
そして、毎年進級する度に新入生が見せる反応に対しても次男くんの変化を感じました。
最初の頃は『ほんとチビはムカつく！』だったのが、『遠くから笑ってないで、聞いてくれれば病気のことを話してあげるのに…』という言葉に変わり、小学校を卒業を迎える６年生には、『まぁ、去年まで幼稚園だったから仕方がないよね(笑)』と成長を遂げていました。

少しずつみんなと違うということを認識し始め、恥ずかしさや戸惑い、辛さもありましたが、自分で何ができるのかを考えること、それと同時に出来ない時はどのようにすればいいのか…ということを初めて学んだ時期だったと思います。

最後まで読んでいただき、本当にありがとうございます。
小さなお子さんが、違和感をもつ体形の人に出会ったとき、不思議に思って目で追うのは当たり前です。大人の方だって普通に見ちゃいます。私だって立場が違えばきっと同じことをしていると思います。いいんです…見てください。ジロジロ舐めるように見すぎるのは良くないですが(笑)、気になるのは普通ですし、見るのも自由です。ただ、小さいお子さんに『あんまり見ないの』とか『あっちに行くよ』と言って気をつかってその場を離れてしまっても、『こういう病気がある』ということをどこかのタイミングでしっかり話していただけると有り難く思います。（確かに話すタイミングが難しいですよね、分かります）
最近感じる、親子での反応は疑問に思うこともあります。親が指を差して笑うと、それを見ていたお子さんも親がしているからやってもいいんだと思うのではないでしょうか？
たしかに軟骨無形成症の動きは、手足や指が短いため普通にしていても、コミカルに見えてしまいます。お子さんからしてみれば少しアニメちっくに見えるかもしれません。
目に見える難病で、健常者に囲まれる環境にいるため、笑われることの多い病気は、本人はもちろんその周りの人をも傷つける場合があります。

身近にハンデがある方と学生時代など早くに関わり過ごした方は、免疫があるのでまた違った反応になりますが、そういうタイミングがなかった方は、ハンデの方を見かけたときが、まさしくそのタイミングだと思うので、ぜひお子さんや周りの方と一瞬でも話題にしていただけると、有り難いと思います。
意外とそういう一瞬の言葉が、お子さんの心に残ったりもしますよね。

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