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次郎ラモと太郎ラモ

むかしむかし、あるところに限界集落に住む「次郎ラモ」と「太郎ラモ」という兄弟がおりました。
次郎ラモと太郎ラモはとても仲が良く、いつも一緒に遊んでいました。

次郎ラモがサッカーをやり始めると、太郎ラモはベランダの壁塗り。次郎ラモがハカダンスを踊り始めると、太郎ラモは速達の受け取り。次郎ラモが綱引きを始めると、太郎ラモは麹町をほふく前進。

見るに見かねたママーラモが一目散に六甲山に駆け上がってこう叫ぶ。
「次郎ラモったら団体競技好きめ〜♡」

そうです、次郎ラモと太郎ラモは精神的な意味合いで繋がってるだけでした。でも顔はそっくり。

次郎ラモはいつもこめかみ付近に青筋を当てていました。太郎ラモはいつも肩甲骨付近に赤筋を立てていました。どちらも怒ってるわけではありません。ちょっと人と違っただけです。

人クセも蓋クセもあると言いますが、クセとはそんなに重要なことでしょうか?とナレーションの下條アトムは言います。というか台本通り言わされています。村人が最後に散り散りになったあの日、お地蔵さんの花の水換えは誰がやったのでしょう。答えは風なり豆腐なり。もっとこうすべきであったとか、この時もっとああしておけばとか、根性論の積み木崩しはしらばっくれども知はくれず。虹の黄昏東北道でエンヤエンヤ。
解決への糸口はいつだって地球を破滅に導くエッセンス。立つ鳥は跡を濁さず濁すのは焼却炉のわだかまりのみ。


ピーっと言う発信音が鳴ったら、とりあえず様子を見て、顔色をうかがって、日本人特有の間と相槌と別段自分自身に損も得もない気遣いで言いたいことを言ってください。

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