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絶対に好きになれない人とはたらくということ

仕事を進めるためにみんなで仲良くしなきゃいけない?

それ本当? みんな仲良くってどういうことなんだろうか・・と、この議題になると考えてしまいます。
多様性を重んじるようになった現代に「みんな仲良く、みんな同じに。」ってできるのでしょうか?
そもそも”仲良く仕事をする”ってなんだろう? なんかしっくりこない。
現在、スタートアップや事業を立ち上げる際の組織論を教えていますが、その時に必ず言うのは「仲いい人と事業をしない方がいい」この一言です。
仲良しの友達と事業立ち上げて、失敗する人を多く見てきました。そして失敗した後、決別する人の多さよ・・・

組織や会社に「絶対に好きになれない人」っていると思います。
まれに、全員好きですよって人もいて、それってすごいなって思います。
私は好きじゃない人の方が圧倒的に多いです。嫌いでもなくて、好きには慣れない人。
でも仕事なので、好きじゃない人にであったらすっきり割り切ります。仕事する上では、互いの協力が不可欠なので、その人の話は聞くし、参考にもする。本当は、その人を無視したいところですが、組織として遂行任務がある以上、好きとか嫌いとか言っている場合じゃない。

ただし、個人的なつきあい(食事とか、飲み会とか)は、できるだけ遠慮さしています。時間は有限なので、大事にしたい人と時間に自分の時間は使いたいので、業務に必要ないと思ったらバッサリ切り捨てています。これだけ書くとめちゃくちゃひどいヒトに見えますね。

好きだろうが嫌いだろうが「協働」する

実際にあった話で、常に成約率98%越えを続けているスーパー営業Aさんと顧客信頼度(今でいうNPS)がめちゃくちゃ高いけど、成約率が80%前後の営業Bさんがいました。AさんとBさんは、それぞれ営業スタイルが正反対。どちらが正しいというわけではなく、スタイルの違いに過ぎないのですが、この二人、互いに好きじゃないっていうのが面白いほど手に取って見えました。本社にいても見えるくらい仲が悪い。
支店長は、Aさんないし、Bさんを他支店に移動させたらいいのでは?と相談してきましたが敢えて、同じ支店に在籍してもらう決断をしました。
あるときAさんとBさんの成績が逆転した月が続きました。AさんはBさんに相互同行を依頼しました。Bさんは驚きつつも承諾しました。すると、不思議なことに、翌月から二人と好成績を上げるようになりました。
支店の売上げが上がれば、そのまま賞与に繋がります。個人だけでなく、組織評価と連動するので、個人がいくら頑張っても100%にはならない。100%にするためには、組織での協働が不可欠でした。
AさんとBさんは、その後も結局、お互い好きじゃないって言っている関係でしたが、ギスギスしたものではなく、割り切っているドライな感じでした。

協力していい結果をだすことが大切。つまり「協働」

仕事なので、いい結果のために「協働」する。時には、その結果、仲良くなることもある。ならないことの方が多いと思っています。
あの上司が嫌い、この同僚が嫌い。でも、組織として結果を出すためには「協働」は不可欠。
無視することではなく、あくまで協働。同じ目標を達成する。
そのために纏まる。「団結する」は目的ではなく、手段。かつ、「団結」は「仲良し」ではない。互いを尊重すること、嫌いな存在も尊重する。その上で、結果を残すためにどうしたらいいかを考える。自分の思っている方法と違っていても、結果が出せるのであれば方法は譲る。
でも、結果出せないのに方法ばっかり言われるとイヤになりますけどね。

 「心理的安全性」って仲がいいことではない。心理的安全性の代表格とも言えるグーグルで常に言われていることです。
嫌なことでも「組織の目標」に向かって進むために言える状況であって、それは仲の良いことではないということ。
コミュニケーションに長けている人は、「みんな好き」なのではなく、「協働力」に長けているのだと思います。

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