マスターたちから学んできた中で獣医さんたちに思ったこと

僕はありがたいことに、これまで多くのスペシャリストの超人の様な先生たちとお仕事や時間を共にさせていただきました。

そして、一般臨床の獣医師の先生たちともそれなりに交流を持ってきました。

その中でちょっと毒づきたいことがあったので、ここに書いて残しておきたいと思います。

耳が痛い内容だと思います。覚悟して臨んでください。
そして、自分への戒めでもあります。怒らず読んでください。

この記事は動物病院で働く人が多いと思いますので、いろいろすっ飛ばして、もうわかっているだろうと言う程で書きたいと思います。

みなさんは飼い主さんから写真一枚送られてきて
『これ何?大丈夫?』
とだけ送られてきたらどう思いますか?

新人が入社早々
どうやったら院長みたいに診療できますか?明日からやりたいんでちょっと教えてください
と言ってきたら拳握りませんか?

一方で、
専門の先生からこんなこともできないの?
と言われたら
いやいやそんな簡単じゃないし
と思いませんでした?

あと、病院や家に転がっているまだ読んでいない本はどれだけありますか?

ということでここから言いたいことをつらつら書いていきます。

最初の二つの話なんですけど、
これまで皆さんが積み上げてきたものはそんな安くねえし、そんな簡単に身につくわけないじゃん
そう思いません?
僕もそう思います。僕の持てるものはできるだけ授けたいと思いますが、そうそう簡単でないし、時間がかかると思っています。

そう簡単に自分の技術渡せるかい
と思う方もいらっしゃると思いますが、おおむね全く渡したくないと言う人はいないとは思います。
ただ、そう簡単には習得できないともみなさんも思われていると思います。

ではお聞きします。

専門の先生におんなじことしていませんか?
専門の先生がこれまで培ってきたものを1時間やそこらで自分のものにしようと欲張っていませんか?

すぐにいい本ないですか?って聞いてもし返答があれば購入されているかと思いますが、その本どこまで真剣に読まれてますか?

あと経験が大事だよって新人たちにいいません?だけど、その経験をみなさんは専門科目について本から学びとれると本気で思っているんですか?

手を出すんなら覚悟を持って、誠実に向かわないとだと思います。そんな簡単じゃないです。

そんなことはわかってる。だけど時間がない。
目の前の患者を救うのにそんな悠長なことは言ってられない

そういう人もいらっしゃると思います。

時間がないに関しては、深く言っても責めるだけで気分悪くなる人ばかりだと思うので一言だけ、
なるほど、この記事読む時間も食事する時間も寝る時間もないんですね。
お体にお気をつけください。

目の前の患者さんを助け続ける方法も身につけないとですよね。
確かに患者さんで実験、お試しは良くないですよね。
ただ、現状助けるの力がないことも事実ですよね、だから専門家の先生の力を借りたいと思っていらっしゃるんですよね。
であれば、そこは現実として受け止めて飼い主さんに誠実にお伝えするしかないと思います。

そして、その上でできることは
まず、成書をきちんと読むことは最低限だと思います。
雑誌ではなく成書であるべきです。

ということで、必要なことは分かりましたね!!
いやそんな分かりきったことを!って感じですけど、この分かりきっていることをじゃあ本当に実践されている方はどれほどいらっしゃるのでしょうか。

ここまでお付き合いいただいた皆様
本当にありがとうございます。
そして、かなり毒づいしまい大変申し訳ありません。

では、ここまで耐えて読んできてくださった皆様には
数多くの専門家の先生とお仕事をさせていただくなかで、それなりに足手まといにならずにお仕事をしつつ多くのことを学びとれた理由と方法をお伝えしたいと思います。

ただ、先に言っとくとものすごーーーーく地味で、多分慣れていない方にはとってもしんどいです。

ポイントの一つ目は(あえて何個ポイントがあるかは先には言いません)
基礎科目の素養ですね。
もう耳にタコができてるし、自覚されているかたは多いのではないでしょうか。
だけど、やはりこれからは逃げられません。
解剖学、生理学、薬理学、病理学
これらの基礎科目の理解こそがすべての近道というか圧倒的な土台ですね。

ここを理解されていない専門家の先生にであったことがありません。
逆にいうとここを押さえておけば、かなりスムーズなやりとりが可能になります。

ポイントの2つ目は
専門家の先生が行う一挙主一同を観察し、その理由を自分なりに考察し、質問することです。
先生はこうおもられたからそうしたんですか?
僕はこう考えたのですが、いかがですか?

こういった質問の仕方をすると、みなさん本当に丁寧にきちんと説明してくださります。(タイミングも大事ですが笑)
たぶん、ここできちんと説明できない方は専門家として指導を受けるに値しない方なのではないでしょうか。というか専門家としての能力は高くても指導者としての能力はそこまでないのかもしれません。

古来より、見て学べという言葉がよく言われますが、見て学んでも身につくのは上部の技術だけだと思います。
この見て学ぶにはその先があると僕は思っています。

見て学び、考え、検証し、実践する
だと思います。

まあ上記のことをしているだけですね。

つまり、なんでそれをするのか自分なりのロジックが成長につながるのではと考えています。そして、そのロジックが風が吹いたら桶屋が儲かるのような論理の飛躍が起きない様に専門家の先生へ質問や指導を受けるということに意味があるのではないでしょうか。

つまり、アウトプットというやつですね。

教科書で学びインプットして、それを元にアウトプットしながら研鑽するということです。

ポイントの3つ目は、本質を見極めること。
何がもっとも重要なのか
それは事実なのか、自分の意見なのか
経験的なものなのか、科学的に検証され、証明されているものなのか
自分に足りていないものはなんなのか

など、自らに常に問いかけ本質を見極めることが重要だと思います。

つまり、自分の頭で考え行動することが大切ということですね。
それか、もうそこには手を出さずに、専門の方にお願いするという引き際も重要だと思います。
だからこそ取り組むのであれば本気で、覚悟を持って取り組まねば、身につくものも身に付かず、中身のないままできるという自尊心のみ育ち結局何も成長できていないということにならないように気をつけないといけません。

ということで、解剖などの基礎科目についてセミナーや自分の頭で考えられる様になるためのトレーニングなどができればと思っているので、ご興味があるかたは、ご連絡ください。

最後まで読んでいただきありがとうございました!

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