地元を出てはじめて気づけたこと。
【関係人口コラム】 vol.7
こんにちは!きっかけ食堂東京メンバーの中村璃久(りく)です。
この関係人口コラムでは、「私が東北と関わる理由」をお伝えしています。
東北出身のわたしは、今こうしてきっかけ食堂で東北と関わる活動をしていますが、もともと地元に愛着があったわけではありませんでした。
そんなわたしがどうして地元を出ても東北と関わり続けるのか、そんなところを綴ってみたいと思います。
「関係人口」とはまたちょっと違うかもしれませんが、地元を出て進学したり就職したりしてもこうして東北と関わり続けられる!という楽しさや関わり方を知ってもらえたら嬉しいです。
(食べるの大好きです!!)
私が地元を出るまで
わたしは秋田生まれの母と宮城生まれの父のもとで生まれた生粋の東北民。
そんな私にとって東北は「田舎で何もない」場所でした。
電車は1時間に1本しか走っていないし、遊ぶとしたらファミレスでだべるかゲーセン、カラオケ。スタバは片道700円、40分電車に乗らないと飲めないし。学校帰りにディズニーなんて羨ましすぎる!!
もっとキラキラした、テレビで見ている都会の世界に出たいな~。
大学は絶対関東に行く!その一心で地元を出てきました。
埼玉の大学に進学して、普通の大学生らしい生活を送る毎日。
やっぱり都会って何でもあっていいなあ~!
この頃は東北に戻る、関わるなんて全然考えていませんでした。
将来を考えたときの「地元」という選択肢
とにかく都会に出たくて、一人暮らししてみたくて出てきたけれど、大学3年生になって就活を考え始めたときにふと地元に帰りたくなりました。
人の温かさが恋しくなったのが大きかった気がします。地元に帰って就職しようかな、そんな今まで思ったことなかった感情を抱きました。
でも、地元に自分のやりたい仕事ってあるのだろうか?
地銀に勤めるか公務員になるくらいしか思い浮かびませんでした。
どんな働き方あるのか知りたいな、そんな気持ちで「東北 インターン」で検索をかけたことから、私は岩手県釜石市で1か月インターンをすることに。
その中でたくさんの出会いに刺激を受けました。外から移住して地域の潜在的な魅力と新たな視点をかけ合わせて新しいものを生み出している人たち。震災での経験を糧に地元のために何かできないかと立ち上がる子どもたち。同じ時期に釜石で活動していた同世代のインターン生やボランティアの人たち。
みんなすごくキラキラして見えました。思えば、わたしが地元にいた頃キラキラしているなあと憧れていたのはなんでもある都会の風景。でも、この時のわたしに刺さったのはこうして面白いことを自ら生み出そうとしている人たちでした。わたしが本当にやりたいことってこういうことだったんじゃないか?そう気づかせてくれたインターンの経験でした。
この1か月がこうして東北と関わる一つのスタート地点になったと思います。
(釜石でのインターンの様子、地元の中高生の活動報告会を主催しました)
きっかけ食堂との出会い
釜石から帰ってきて、もっともっと面白い東北の人、ものと関わりたい!
そんな中、たまたまfacebookで見つけたのがきっかけ食堂でした。
しかも地元白河が取り上げられてる。これは行くしか。
(ピーク時に、この2倍以上のお客さんがいました!)
行ってみたらめちゃめちゃたくさんの人!!!地元のご飯をこんなにたくさんの人と一緒に囲んで話をしていることがすごく嬉しかったのを覚えています。
ワクワクが止まらない中、きっかけ食堂の終わり際に「来週白河に行くツアーがあるんだけど行かない?」とのお誘いが。ノリでオッケーしてツアーに参加することに。
(有賀醸造さんの酒蔵でBBQ!)
地元にツアーで行くってすごく不思議な感覚ではありましたが、初めての体験ばかり。
ずっと住んでいたはずなのに、何にもないと思っていたのに、こんなに知らないことがあったなんて。
何もないと思っていたのは、自分が知らなかっただけだった!
もっと知らないもの、見たことないもの、行ったことがないところ、
たくさん見てみたい!体験してみたい!
その思いから週末やまとまった休みには東北の色んな地域に足を運ぶようになりました。
(きっかけツアー in 釜石!秘境の海に行って終始ワクワクでした)
(唐桑で参加したワークキャンプ!若い人たちがすごく元気なまち!)
こうして色んな地域を見て改めて感じたことは、人の温かさと強さ。
初めて会ったのに、そんな自分にテーブルいっぱいのご飯を用意してくれたり。震災で失ったものを嘆くのではなく、震災をきっかけに出会えたことを喜んでくれたり。
(唐桑に着いて一番最初のご飯、地元のお母さんが用意してくれました)
あの人と一緒に食べたごはん美味しかったなあ、一緒に見た景色きれいだったなあ。美味しいごはんもきれいな景色も、その時一緒にいた人との思い出が浮かびます。
東北に行く度、思いを持って行動している人たちに出会い、次会うときにはもっと成長してたい、自分ももっと頑張ろうと感化されます。
わたしが東北と関わり続けているのは、
「出会いが楽しいから」だと思います。
これはきっかけ食堂でも同じです。お客さんもメンバーも様々な理由で同じ場所に集まって同じ時間を過ごす。そんな空間でのささいな話や出会いが楽しいから関わり続けているのだなあと思います。
(高校の同級生のお父さんにきっかけ食堂@東京で遭遇!!すごい縁ですね)
これからの東北との関わり方
きっかけ食堂に通うようになって約1年、社会人になる手前のタイミングでこれからも継続的に東北との関わりを持ち続けたいという思いで運営メンバーになりました。
気づいたらほぼ毎月通っていたのも、よりコミットしたいと思えたのも、何よりきっかけ食堂の場が楽しかったから。
わたしははじめ都会に出たいという憧れから関東に出てきましたが、地元を出る機会を持てたことはよかったと思っています。
中にいては気づけなかった地元の良さに気づくことができたから。
東北に行くとたまにこんな言葉を聞くことがあります。
「うちなんてなんもないよ」
たしかに私も地元にいた頃はそう思っていました。
でも、それは当たり前の日常すぎて気づいていないだけだったのかもしれません。美味しいごはん。人とのつながり。美しい自然。
外に出てみて、外から見てみて初めて気づけることもあると思っています。
(牡蠣筏の上を歩かせてもらいました!)
まずは地元の人たちに外から見える魅力を伝えていくこと。
地元の人が誇りに思っていることを知ること。
そして、それをたくさんの人に知ってもらって新しい出会いを生み出すこと。そんなきっかけを作り出せる人になりたいと思っています。
だからこそ、今は東京からできることをしたいと思いここに留まる選択をしました。
今は営業の仕事の中で、よりよい出会いを生み出して
地域を元気にするにはどうすればいいか、試行錯誤する毎日です。
社会人一年目、今は新しいことだらけで精一杯なところもありますが、この経験を、自分を育ててくれた東北に還元できるよう頑張ります!!
最後まで読んで下さりありがとうございました。
きっかけ食堂 中村璃久
【関係人口コラムとは】
きっかけ食堂に関わる東北好きの皆さんに、東北と関わり続ける理由についてお聞きします。
コラムを通じて、多くの人が都市から東北、地域に関わることの「楽しさ」や「関わりしろ」を知るきっかけになれればと思います。是非、ご覧ください。
関係人口とは?
「関係人口」とは、移住した「定住人口」でもなく、観光に来た「交流人口」でもない、地域や地域の人々と多様に関わる人々をさします。
(総務省関係人口ポータルサイトより引用)
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