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空に放つ

ありったけの朱を 紅を 橙を
溶かしてこの胸に

闇と光の狭間から
取り出した思いは君に



怒りを
閉じ込めて 閉じ込めて
明日を育み

記憶を
沈めて 沈めて
過去を濾過し

夢と旅と風と音が
熱となってはやがて冷えることを繰り返して

はるか波打つ雲海の
藻屑となって消える前に

今 全身の力込め
ひとり空に放つ

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