何か理由があるはずだ。

【今日の　聴き屋】～59日目～

私は  すぐには人を嫌いになれない。

基本的に 「人が好き」というのもあるけれど
色んな人の好ましくない場面に出くわしても
「何か理由があるはずだ」と思うから。

様々なところで  悪口や攻撃を見かける。
私は  そういうのがとても苦手。

自分が その当事者のような気持ちになってしまうから。
感じやすいがゆえの  感覚。


今月  新入社員男子が 我が担当に正式配属された。
研修の頃から  彼の悪口が飛び交い
正式に我が担当に配属となり 担当内が殺気立つ。。

確かに  今まで出会ったことのないくらい
要領が悪いし  体力もないし  学ぶ姿勢も低いし  スピードも遅いし　言い訳もするし
周りをイラつかせる言動が多い。。。


でも  彼には彼の 理由がある。

彼は 幼いころから心臓に持病があり
何度も大きな手術をしていて  ペースメーカーが入っている。

新卒入社だけど  ２５歳。
理由は聞いていない。

おそらく 彼は　
これまで生きて成長してくることに
全力をかけていただろうし
彼のご家族も そのサポートを全力でしただろう。

大病をしていることで
周囲より遅れていることにコンプレックスを感じつつも
「しょうがない」と許され 甘えを積み上げてきたかもしれない。

彼の親御さんは
彼が生きて育ってくれて
無事に社会人になれたこと それだけで
今とても  安堵してるのではないか。

想像でしかないけれど
そんなことを感じる。

彼には彼が生きてきた人生があり
彼には彼の  理由があるのだ。

だから  私は  彼の様子を注意深く見守り
出来るだけ穏やかに接している。

ほんのわずかな「出来たこと」をまずは認め
その上で  改善点を提案する。

精神的に追い詰められているのも伝わってくるから
話を聴いて  気持ちの整理にも  手を貸す。

私だって  呑み込みが早くて  スピード感があって  体力もある若手
の方が 助かる。
だってもう 整骨院に通わないと あちこち痛い 47歳なんだから。。

でも  彼の様子をみて  重いものは私が運ぶし
歩くのもゆっくり  伝えるのも よりかみ砕いて説明する。


人には  それぞれに理由がある。

だけど  それに気付けない人が多くて
あちこちで トラブルが起こる。
「気付けない人」にも  理由があるのだろうけど。



「何か理由があるはずだ」


ちょっとだけ立ち止まって   
みんなが もう少しだけ  相手のことに  思いをはせることが出来たなら
もっと 穏やかに過ごせる と思う。