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20年12月29日(火)「暇」

2020年仕事納めだ!
最後のチームミーティングに臨む前に自分が担当しているタスクの確認、及び報告準備に余念がない。

僕は1ヶ月前からチーム全体の成績向上のためのツールを作成している。これを用いれば初心者でもある程度の数字を立てられるというわけだ。僕としてもこの完成を以って実績とみなされる以上手を抜くわけにはいかない。先日に既にプロトタイプを完成しメンバーに使用勝手の所感を聞き取りすることになっている。

午後3時。ミーティングの開始だ。上長のナンタラナンタラ挨拶が続いたあと、次第通りに僕の順番がめぐる。さっそく僕の努力の結晶の評価を皆に聞いた…

3分後。僕は耳の奥で何かが崩れる音を聞いた。腹の底がぽっかりと空洞が出来上がったかのように心許ない。「使い方が…みんなどうやって使ってるのか聞きたいです」「言葉が多すぎて…どうすれば」視線が定まらない。僕は今、どこを見て何を話すべきか。

メンバー全員の意見を募り終えた。温もりのない沈黙がチーム全体を包み込む。僕の思考は完全に停止していた。頭の中の茫漠な荒野に広がる無限の選択肢。「何を喋るべきか」

改良点の発見とその改善に向けた具体的な方策、またはツール破棄を含めた根本的な見直し、一部改善か、完全破棄か。または第三の道か…。ここから先は何を話したか定かではない。

一つ確かなのは新しいモノというのは受け入れられない。新参者の宿命だ。2020年仕事納め、新たな課題を具体的にして閉めた。
上長から言われた。「手伝えることは手伝うから」新年から慌ただしそうである。

プロフェッショナルとは、暇(いとま)なし。

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