見出し画像

21年1月11日(月)「パラレルワールド成人式」

成人の日である。僕は1年のうちに嫌いな日がいくつかあるが今日はそのうちの1つだ。

今から10年以上も前に僕の成人式は終わった。ちなみに僕は参加していない。大学受験浪人をしていたためだ。特に思い入れもなかったので当時は後悔はなかった。しかし何年かした後にふと思ったのだ。参加した旧友たちは僕の不在を髪の毛一本ほどでも気にしてくれていたのだろうか。悲しんでくれた人はいたのだろうか。

受験浪人している自分の立場が式場へ向かうことを躊躇させていた理由もある。周囲が大学生や社会人やってる中で、文字通り何者でもない自分のせいで、周りの空気を汚したくなかった。何よりも自分自身が惨めになるのが嫌だった。また、そんな空気を払拭できるほどの器量も自分にはない事を僕が1番分かっていたのだ。

でも今になって思う。中学卒業してから5年の歳月を経て「彼はどんな人になったのかな」なんて気にしながら式に参加した女の子がいてくれたかもしれない。「お前に会いたかったぜ」と本心で言ってくれる元部活仲間がいたかもしれない꒰ ´͈ω`͈꒱
なんてことをニュース番組を見るたびに思うようになったのだ。

もしあのとき成人式に参加していれば…「ホストみたいだね」「お前キャバ嬢みたいだな」なんてあるあるな会話をしていたのだろうかなんて、2度と永遠に訪れないifストーリーを頭の中でこしらえた。「僕2浪してんだよね、参っちゃうよな!」恥ずかしげもなく自虐を美徳に、己の恥じらいを包み隠さず曝け出すことが、あの時できていたら。予備校帰りの車から覗いた振袖とスーツの群衆。あの中に普段着のパーカーでいいから入り込んで行けていたら…。もしかしたら。

最近、小学校のころ好きだった女の子が結婚したという話を聞いた。もしもパラレルワールドなんてものがあるのなら、どうか別世界で生きる僕には成人式の奇跡を実現して欲しいなんて何とも他力本願な妄想をした1日でした
(´・ω・`)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?