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高校時代の友人Mくんの話

笑顔の根っこ

娘(中学生)から
「なんで、そんな笑顔ができるの?」
と聞かれました。

そこで思い出した高校時代の話。

田舎の進学校とフツー女子

私が通っていた高校は、学区内でも校則が厳しいと有名な進学校でした。

そんな高校だからといって、みんなお真面目なわけでもなく、生活指導をかわすべく日々頭を捻らせている人も多かった。

私は、オシャレしたい<注意されるのが面倒、だったため、校則をきちんと守り・運動部に所属・成績も中の上くらい・派手でもなく地味でもない、というごくフツーポジションの女子でした。

田舎の進学校のハデ男

そんな高校にも、ハデな男女がいます。可愛い(カッコイイ)・オシャレとかジャンルも様々。大体、この周辺で友達・交際関係が成立します。

そんなハデジャンルに属するMくんという男子がいました。チャラい話し方で、交友関係もハデ。男前なので女子に一目置かれていました。

彼とは、休み時間に2人だけで話をしたり、一緒に遊びに行ったり、電話したり(当時はイエ電・・)する仲。

ハデ男とフツー女子の不思議な組み合わせでした。

恋ではない

そう、恋ではないのです。お互い好きな人もいる。

正確に言うと、Mくんに懐かれていました。

ハデ男のMくんには幅広い交友関係があり、他校の可愛い女子とのアレコレを話してくれます。そして、それを聞かされる経験値の低い私・・。

人前で話せないような内容も多く、人気のない場所で話していると、色々な人に目撃され、あらぬ誤解を受けることも。

Mくんに気がある女子から呼び出され、交際の有無を問いただされるなんてこともありました。迷惑・・。

意外なひと言が今も心に残っている

そんな迷惑をかけられながらも、何となく憎めないMくんとの仲は続いていました。

ある日、2人で話しているときにふと、Mくんから
「カナさんは、笑顔が可愛いね。」
と言われました。

ここで1ミリもドキッとしないところが、この関係の面白いところなのですが、そんなことを思ったことも言われたこともなかったので、私にとっては大発見でした。

そんな言葉をかけてもMくんにとって良いことはほぼないはずなので、これは本心から言ってくれていると思い、素直に受け取ることにしました。

せっかくの大発見なので・・

これまで生きてきた中でなかなか笑顔になれない日もありました。でも、その度にMくんからもらった言葉を思い出していました。せっかく発見してもらった自分の良いところ、出していかないのはもったいない。

気分が乗らないのに無理に笑う必要はないと思いますが、笑顔にすることで、自分の脳が楽しいのだと錯覚してくれるという話も聞きます。そして、楽しい気分になると自然と笑顔になれます。

私に「笑顔」について尋ねてくれた娘。

自分の気持ちを素直に表情に出すことが難しいお年頃ですが、気持ちの上で笑顔でいてくれれば、まずはOK。
いつか、その楽しい・嬉しい気持ちを素直に表現できる日が来れば良いなと思います。

最後にMくんを見たのは・・

卒業後、別々の大学に進学しましたが、1年生くらいまではちょこちょこ会っていました。

その後はパッタリ。

最後に彼を見たのは社会人2年目のころ。相変わらずの男前でスーツをバシッと着こなしていました。

そして、傍らには可愛い女性。

うん、やっぱり相変わらずだね。

そんな彼は今どこで何をしているんでしょう。今でもきっと男前。会ったら普通に喜んでくれて、わーっと近況報告が始まりそうです(笑)

<Photo by Jonathan Daniels on Unsplash>

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