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レゴ®︎シリアスプレイ®︎メソッドとマインドセットについて

『マインドセット:「やればできる!」の研究』を読み返している。

参加者のマインドセットに気を配る

 レゴ®︎シリアスプレイ®︎メソッドを活用したワークショップに硬直的なマインドセットをもつ参加者が入ってきたときに、それをときほぐすファシリテーションを身につけておかねばならないということを先日つぶやいた。

 問いに対して「うまくつくれない…」「他の人はすごいけど私のは…」ことを嘆く声が出てきたら要注意である。本書によれば、そのようなマインドセットで向かうワークは、自分の優秀さを他の人に示し、弱みを見せないことが主目的になってしまう。そのようななかでは、新たなことの発見や未来への希望などに注意をはらう余裕も生まれない。

 本書によれば、基本的な対処法は、相手に「やればやるほど上達する」「脳は使えばいつまでも成長しつづける」「失敗などなく全てが学びのプロセスである」というメッセージを与え、小さな行動と振り返りを促すことである。

 これはワークの基礎演習の段階から、参加者の様子をよく観察しつつ、繰り返し働きかけることに尽きる。
    さらに「モデルを見て話す」ことは、他者の視線を気にすることを弱めるのに重要である。

ファシリテーターにこそ求められるしなやかなマインドセット

 もう一つ、本書を読んでいて、ファシリテーターにこそ、しなやかな(成長志向の)マインドセットが必要だと感じた。

 このメソッドは非常に良くできているので、ファシリテーター養成のトレーニングの時の経験と、そのときに与えられるマニュアルに従っていけば、ある程度の型に沿ったワークショップ設計とファシリテーションを身につけることは難しくない。

 ただ、その基本形からある程度離れていくと、ある程度のところで途端にファシリテートやプログラム設計が難しくなる。

 ここで「ある程度」というのは、時間が短くなったり、長くなったり、人数が多くなったり(複数のグループで同時進行になったり)、テーマがマニュアルで標準プログラムとして紹介されているもの以外のものに及んだときである。

 あとは他の人にこのメソッドの意味や価値を伝えるときなどである(相手の置かれている状況やバックグラウンドによって、レゴ®︎シリアスプレイ®︎の魅力の感じ方が異なるので)。

 そこからは、このメソッドの内容の底にある考え方を、関連書籍などを取り寄せて読んだり、いろいろな方法を試してみたりしながら、理解と技術を深めていけるかという話になる。

 何かにチャレンジする、マニュアルの応用をしようとすると、思った通りにいかない経験をする確率は跳ね上がる。そして、その先は終わりがない(もう直ぐ、このメソッドを学んで丸10年になるが正直な感想である)。そこからは、このメソッドを心から好きになり、努力と挑戦を楽しめるかだ。

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