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エフェクチュエーションとレゴ®︎シリアスプレイ®︎(3)アフォーダブルロス原則

起業家の成功行動を説明する「エフェクチュエーション」にはいくつかの原則がある。今回も以下の書籍をもとにそれらの原則とレゴ®︎シリアスプレイ®︎メソッドとの関係を考えていきたい。

アフォーダブルロスの原則とは

 アフォーダブルロスを直訳すると「許容可能損失」である。

 言葉そのままを砕いて表現すれば、失敗した時に失ってもいいとする範囲で起業家は行動するということだ。

 このうち、ポイントになるのが起業家が「いいとする」というところだ。その計算は「心理的計上」(心理会計:Mental Accounting)のもと行われる。「心理的計上」になると、通常の損失計算であれば「子供の将来」のための100万円も、「海外旅行計画」のための100万円も同じ100万円で、等価で代替可能であるが、人によっては実際にそうではないということだ。

 そのため、起業家の自己資産ではなく、以下のような観点でアフォーダブルロスは決まる。

アフォーダブルロスでは、自分の人生の状況、現時点で自分がコミットメントしていること、自らの願望、自分のリスク性向にもとづいて判断が下される。

スチュアート・リード他(2018)『エフェクチュアル・アントレプレナーシップ』62頁

 これについて自覚をもつことで起業への心理的な壁を低くできるとともに、精神を安定させることができる。

 アフォーダブルロスが常に活動が収まることを念頭に、知恵を絞ったり交渉をする起業家が成功しやすい。アフォーダブルロスは、リスクマネジメントの意識と行動を引き出すのである。

レゴ®︎シリアスプレイ®︎との関連性

 アフォーダブルロスの最初の壁は、「自分の人生の状況、現時点で自分がコミットメントしていること、自らの願望、自分のリスク性向」を意識することである。

 このうち、とりわけ「現時点で自分がコミットメントしていること」、「自らの願望」については気持ちの奥底に沈んでいることが多いので、レゴ®︎シリアスプレイ®︎メソッドを使って引き上げることは、起業家を目指す人にとって貢献できるだろう。

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