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レゴ®︎シリアスプレイ®︎で変わっていく自分をとらえる〜定点観測のススメ〜

 レゴ®︎シリアスプレイ®︎は、その人のなかのイメージを形にする。「現在の自分の状況」について問えば、それに合わせて表現されたモデルが出てくることになる。

 当然のことながら、自分の状況が良くないと感じている人は、それに応じた暗い印象を受けるモデルをつくるし、良いと感じている人は明るい印象のモデルをつくる。そして、それぞれの表現が何を意味しているか、すぐに答えられない部分も含めて意味付けていく。

 作るときには細かい設計を先に考えすぎず、手に任せて作るぐらいでちょうど良い。なんとなく気になる色のブロックをとって他のブロックと組みあわせて作ることだけ心がけていくぐらいでちょうど良い(それが何故かは以下の記事を参照してほしい)。

2022年1月の私の状況モデル

 そんなわけで私が自分の状況について作ったのが以下のモデルとなる。それぞれの表現に意味をつけていくと現在の自分の状況が見えてくる。細部の説明は割愛するが、概要としては「職場の同僚のがんばりと成果にも触発されて(写真の左側ライン)、自分の仕事(主にこのブログで扱っているレゴ®︎シリアスプレイ®︎に関する研究)も、Noteで少しずつ書いているうちに大きく回り始めた(写真の中央)。一時はどこに進んでいいかわからない混迷の時期があったが(写真の右側奥)、色々な人の助言をうけつつ前に進み始めている(写真の右側と中央前方の表現)」という感じのモデルになった。

定点観測20220130

 自分の状況をみつめられるだけでなく、モデルをみながら、いろいろと考えを広げ、深めることができるのがブロックで表現したメリットだ。「同僚を示したブロックの表現が密ではなく、#のようにやや隙間が多い表現になっているのはなぜか」とか「前方の人形が進んでいく先には何がありそうか」とか、モデルに関して追加の問いを自分に投げていくことでさらにモデルの持つ意味を探っていくことができる。

 私はよく一人でしているが、できればトレーニングを受けたファシリテーターもしくはワーク経験者と共にするのがよい

自身の中の移り変わりをみる

 上記のモデルで行った振り返りは、写真で言うとスナップショットすなわち1時点におけるものだ。

 これを定期的に繰り返すことで見えてくるものがある。「定点観測」による気付きだ。より高い地点から、自分自身の状態を把握し、内省を深めることができる。

 そこで、前年12月に作ったときのモデルの写真を持ち出して比べてみる。この内容についてはFacebookに投稿しているのだがどこが違っているのだろうか。それを比較することで、この1ヶ月の間に何があって今になったのかを考えることができる。

スクリーンショット 2022-01-30 13.36.42

 まず、12月には、同僚との関係が「私を応援してくれている」「批判の声もある」という私に向けた関係から、1月には私の方から同僚から刺激を受け成果を称賛する気持ちに切り替わっている。
 そして、12月には授業期間内だったので「卒業を助ける」ところから1月は授業が終わり研究モードが前面にでてきたことが見て取れる。自分でも驚くぐらい切り替わっている。
 さらに横目で12月には「教育研究を深める新しい取り組みにチャレンジしたい」という気持ちがありつつもできなかったのが、1月にはその取り組みを集中的にできた満足感とさらに前進する気持ちが表れていることがわかる。

 総じて、同僚との関わりが利害関係だったのが共感や尊敬をベースとした関係に変わっている点で良くなった。取り組みエネルギーが教育よりだったのが、その基盤にもなる研究よりにシフトしたので良い時間の使い方ができはじめている感じを受ける。

 そうなるとそこから追加の問いが生まれる。「12月モデルにいた批判的な言葉をなげる同僚が1月モデルには消えたのはどのような意味があるのか」、「12月モデルで作っていた階段(教育モデル)はどこにいったのか」、「今の状況を今後も維持し続けるには何が鍵になりそうか」などである。

 このように推移とそこから生まれる問いを見ることで、1時点のみとは違った思考が広がってくる。

構造化された視点に気づく

 先程は時間と共に移り変わる差異に着目したが、共通点も気づきと学びの源泉である。今回、モデルを比較観察して、私は次のような共通点を見つけた。

スクリーンショット 2022-01-31 9.51.22

 それは作品の表現が3つのエリアから構成されていることと、(12月のほうを反転させると)並びが一緒であることである。

 写真の左に同僚について、中央にメインの力を入れている仕事について、右に今後につながるチャレンジについての表現が並んでいた。この3つの切り口は12月も1月も意識して作っていなかったので、それを無意識的に考えているということだろう。

 もっと積極的に「同僚→仕事→チャレンジ」の流れを強めるべきか。
 今の流れよりも「同僚←仕事←チャレンジ」の流れが良いのではないか。
 そもそもその3つの切り口がよい意識の置き方なのか。
 などこれらからもいろいろな追加の問いが生まれてくる。

 共通点はしばしば自分のまなざしに関するメタ的な把握能力がもとめられる。その場合は発見が難しいが(今回は本当に運良く発見できた)、発見できれば自分の状況変化の大きなテコになる可能性があるので、共通点探しはじっくりと取り組むことをお勧めしたい。

 メタ的な思考の構造把握は、短い時間で成果を出すワークショップよりも、もしかしたら、リラックスして時間をきにせず自分の作ったものをじっくり鑑賞するようなやり方のほうが向いているのかもしれない(今後の課題)。

 いずれにせよ定点観測という取り組みは、私自身が自分で取り組んでいて良いと感じているので、今後も普及する機会を作っていきたい。

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