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アジアン・ミーティング2023に参加して

 2023年4月11日−12日にレゴ®︎シリアスプレイ®︎メソッド(LSP)のファシリテーターたちが集まって、お互いの取り組みを評価し合うアジアン・ミーティングがシンガポールにて開催されました。アジアの地域コミュニティ・ミーティングはコロナ禍で3年間行われませんでしたので本当にひさしぶりの開催でした。

 もちろん、私も参加して”「未来を旅するワークショップ」の設計原理とプログラム”についてプレゼンテーションをしてきました。このプレゼンテーションを届けることが私の今回の最大のミッションでした。このプレゼン内容についてはNoteで下書き的に書いています(全5回)。興味のある方はぜひご覧ください。

たどたどしくも一生懸命話しました

 上記の記事でも書いていますが、このプログラムは、日本のファシリテーター有志とともに2022年の1年間をかけて開発してきたものであり、発表内容は有志のみなさんの協力がなければ間違いなくできませんでした。トライアルも含め、協力していただいた多くの皆さんに改めて感謝を申し上げます。
 特に発表資料に関しては、直前に同じファシリテーターの諸富祐輔氏にプレゼンを聞いてもらい英語表現や構成など非常に貴重な意見をいただくことができました。これが当日のプレゼンテーションをリラックスして迎える要因になったのは間違いありません。心より感謝したく思っています。

 私の発表への反応としては、拙い英語にもかかわらず、強い関心とたくさんの質問をプレゼン時間中、その後にもいただきました。普段から学生たちに「質問がたくさん出るのはそれだけ興味をかき立てられたことに起因するので喜ぶべき」といっていただけに、今回の反応は嬉しいものでありました。

 その反応の中でも、レゴ®︎シリアスプレイ®︎メソッドの開発者であるロバート・ラスムセン氏にも良い発表だったといってもらえたのは本当に嬉しかったです。あまりの嬉しさにそのときに、思わず「改めて発表内容を英語で文章化して送るのでコメントしてほしい」と頼んでしまいました。自ら仕事を一つ増やすことをしてしまったわけですが、自分のためにもなるのは間違いないので、これからしっかりと取り組みたいと考えています。

充実した2日間のプログラム

 私のプレゼンの他にも、山本伸氏による大企業における5年間にもわたる組織開発の事例プレゼンをはじめ(具体的かつ学びに満ちていて非常に参考になる内容で素晴らしかった)、ローレンス佐藤氏がアジアで3人目、日本人としては2人目のトレーナーとなったこと(ファシリテーターを育てることができるのはトレーナーのみです)、レゴ®︎シリアスプレイ®︎メソッドのマスタートレーナー協会の理事(開発者に次ぐ地位)に石原正雄氏が就任するなど、日本のファシリテーター・コミュニティが一定の存在感を発揮し、コミュニティへの貢献ができたのではないかと思われます。

 私と山本氏のプレゼンテーションの他に、2日間の間のプログラムで提供されたこととしては、

  • 開発者によるスキルビルディングのポイントについての解説と演習

  • 開発者による問いの考え方についての解説

  • 開発者によるファシリテーションの基本についての解説と演習

  • トレーナーによる案件のクライアント対応についての考え方のケース討議

  • 3Dインタビュー(ブロックを使った問題の聞き出し)のポイントと演習

  • オンラインの勉強会である「コーヒーチャット」の紹介と取り組み報告(運営チームによる日本からは諸富氏が参画)

  • 各国のファシリテーターの活動統計報告(フィリピン(計画&分析の中心的な役割を担う))

  • ソーシャルインパクトを狙ったLSPの実践事例報告(インド&タイ)

  • 参加者の身体性を重視したLSPのファシリテーションの実践事例(中国)

  • ファシリテーター同士のコラボレーションの事例と教訓(フィリピン)

  • 感情にフォーカスを当てたLSPの実践事例(シンガポール)

  • メンタルについてのリサーチにLSPを活用した事例の報告(シンガポール)

  • 組織文化の変革にむけたLSPの活用事例(シンガポール)

などがありました。こうやって書き出してみると、本当に参加者の視野を広げつつ、改めて中心的な価値観や基本も固めていくという、よく練られた素晴らしいプログラムになっていたと思います。

 発表の中では、「各国のファシリテーターの活動統計報告」が興味深く、発展可能性を秘めていると感じました(ロバート・ラスムセン氏をはじめ、多くのファシリテーターがその貢献を讃え、感謝の言葉を送っていました)。
 それをみる中で、日本のコミュニティならでは特質を知って、それをどう世界につないで貢献していけばいいか、逆に欠けているものを見つけ出して、他国から何をどう学んで取り入れていくかについて見えてくると感じたからです。

 また、これらの運営はシンガポールのトレーナーであるクリスさんを中心に参加各国からのボランティア運営チームに支えられていました(日本から運営に入られたMasako Shoさんありがとうございます!)。また、参加者の全員が何らかの役割を意識して参加しており、大会全体で一体感のある大変素晴らしい場になりました。
 特に運営チームが国を超えて組織されて動いたというのは、これまでにない動きでコミュニティ内の連携と成長を感じさせるものでした。

これからしていきたいこと

 みなさんの発表から大いに刺激を受け、発想が広がっていく中で、最後に、2日間を終えてやってみたいと感じた次のステップについて箇条書きですが残してみます。

  • 「未来を旅するワークショップ」の解説とロードマップの英訳、およびファシリテーター同士の交流勉強会であるCoffeeChat日本版で話すこと。

  • 「未来を旅するワークショップ」のうち業界や地域などを絞ったアレンジバージョンを行うこと。

  • グローバル版のCoffeeChatでトークをすること(ミーティングの中の実施予定の中で「ワークショップの締めくくり方」という重たい話題を11月に当てられていました。そのお題は聞かされていなかったのでびっくりしました(笑))。

  • 学生/若手社会人向けのキャリア・ブランディングのプログラムを今年の夏季休暇中に開発すること。

  • 小学生向けのLSPプログラム「Build to Express」を紐解き(英語版のみ存在する)、どこかの教育現場に実装すること。

  • ロバートも薦めていたSarah Kuhnの『Transforming Learning Through Tangible Instruction(触れる教育で学びを変える)』を改めて精読し、エッセンスをしっかりと吸収すること。

  • いずれかのアジアの国のファシリテーターと交流錬成会をすること。

  • 次回の世界で集まるグローバル・ミーティングや次回のアジアン・ミーティング(次回もシンガポール)でも報告できる内容を作っていくこと。


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