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システムコーチングとレゴ®︎シリアスプレイ®︎メソッド

 先日、日本語訳が出版された以下の本、システムコーチング®︎の最新研究と実践をまとめた本として紹介され、興味深く読ませていただいた。

 システムコーチング®︎とは、組織や関係性に焦点を当てたコーチングの手法である。個人にフォーカスするのではなく、組織や関係性にフォーカスし、そこで何が起きているか、どのようにその組織や関係性がなりたいのか、そのために私たちが何ができるのかを問うコーチングである。

 組織や関係性が独立したアイデンティティを持つ存在であるかのように扱い、人々にもそのように注意の転換をさせることによって、状況認識や自己理解に変化をもたらすことができるという。

 この考え方を知って、私がここ数年開発してきた「問題を生き物のメタファーで捉える」プログラムに非常に近いと感じた。

 逆に異なる点は、(A)「存在」ではなく「問題」を扱っているということと、(B)レゴ®︎ブロックを使ってそれを表現することである。

 (A)については本書を読んで、問題ではなく、存在として扱う視点の方がニュートラルな気持ちで取り組める利点があるのかもしれないと考えた。もともと「問題に意識が行き過ぎている心の状態」をニュートラルにして、解決に導くプログラムとして考えていたこともあり、無理やり問題を考えさせるのではなく、ニュートラルに組織を生き物として捉えるアプローチの方がうまくいくケース(心的な負担が少ないケース)が多いかもしれない。

 (B)のレゴ®︎ブロックを使うという点においては、何もない言葉だけのセッションよりも、具体的な形をつくることには利点があると感じる。もちろん、ブロックを扱うことに慣れる必要がある(時間をかける)が、ブロックの扱いを思い出す(慣れる)時間と、言葉のみで進めることによる、いろいろな話題に飛び火する「空中戦」(言葉に引きずられてもともとの話題を失ってしまう状態)が起こることのリスクを天秤にかけたときには、時間をかけてでもブロックで表現してもらうほうが楽しく、気づきが多いと感じている(検証はしていないが)。

 この本についてはまだ一回さらっと読んだだけであるが、精緻に検討して「問題を生き物のメタファーで捉える」プログラムを磨き上げたい。

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