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レゴ®︎シリアスプレイ®︎メソッドで作った社会システムモデルの文章化

システム・モデルを文章に落とす

 レゴ®︎シリアスプレイ®︎メソッドを使ったワークのアウトプットとしてできた社会システムのモデルの文章化に学生と挑戦していきたいと考えている。

 ちょうどこの記事のタイトル画像にもなっているのが、社会システムのモデルである。現代の日本社会の理解にとって重要な事象を「うまく行っている側面」と「問題が噴き出しつつある側面」でモデル化し、チューブのパーツ(これもLEGO社の製品)で各側面を与え合う影響力の観点で連結している。

 関連性の表現は「赤」がシステム思考でいうところの正(+)の影響関係で、「黒」がシステム思考でいうところの逆(ー)の影響関係となっている。
 影響力には方向性があり(どの側面がどの側面に影響を与えるか)、モデルでは大きな三角旗のようなプレートで代用している(矢印っぽく見えるので)。

 この表現の基本は「システム思考」に依っている。「システム思考」について興味のある人は以下の本を参照にして欲しい。

 このモデルを作りあげる過程で、参加者(6人のゼミ生)は実に3時間ぐらいぶっ通しで会話をしている。そのため、写真を見るとわかるがモデルの各側面が非常に複雑に絡み合っている。
 このようなのモデルの全体像を文章に落とすのは容易ではないが、成し遂げることができれば、モデルを作成するワークの価値それ自体がさらに高まる。

システム図を文章化していくときのポイント

 どのように学生たちに文章化のヒントを与えたらいいのか。モデルのシステム図全体は読み手に提示されていることを前提とした上で、現在のところ、次のような順序(問い)で文章を積み重ねていけばよいのではないかと考えている。

(1)システム図全体をいきなり説明しようとせず、最も重要な側面のみに絞り、それがどのように他の側面に影響を与えているかを丁寧に書く
(2)システム内の影響力の循環という観点から、その側面がどのような影響力の循環の中にあるかについて書く。
(3)上記で選んだ重要な側面が今後どうなっていくのか(強まっていくのか、現状維持するのか、減少するのか)について循環の性質を踏まえて予測を書く(システム思考で基本的な予測の技法は確立されている)。
(4)その予測の結果は私たち(自分)にとって好ましいものなのかそうでないのかについての評価を理由をふまえて書く。
(5)予測の結果とその評価を踏まえ、現在の社会をより良い社会にしていくためにどの側面に働きかけるべきなのか、できるだけ具体的に働きかけの内容について書く。
(6)そのシステム図はあくまで自分たちの知識や経験から作り出された仮説の体系であることを思い出し、ここまで書いた文章全体を振り返って、システム図の中で理解があやふやなところ、もっと理解を深めていきたいこと、システム図に組み込んでみたいキーワードについて書く。

 最後の項目は、その後にゼミでの文献購読の本選びや、卒業論文などのテーマ選びに結びつけていくことを想定している。

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