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思考ルーチンとレゴ®︎シリアスプレイ®︎メソッド(6)「3-2-1ブリッジ」

 今回はこの本の中で紹介されている「3-2-1ブリッジ」という思考ルーチンをとりあげる。

 この「3-2-1」とは、3つの単語、2つの質問、1つの比喩を意味している。

 まず学習前に、あるトピックについて思い浮かぶ単語を3つあげる。これは、脳の中の関連情報を探索させる。
 次に、2つ質問を考えさせる。質問は関心をより換気させる。
 最後に、比喩を考えさせる。「△△(トピック)は、〇〇のようなものだ」というように表現させることで、どのような切り口や枠組みでトピックを見ているかをいうことを知ることができる。

 この「3-2-1」をトピックに関する学習の前後に1回ずつ行う。

 そして前後の差異を比較することで、学習によってどのような変化が起きたのかを考察してもらう。これが「ブリッジ」である。

レゴ®︎シリアスプレイ®︎メソッドにおける「3-2-1ブリッジ」

 レゴ®︎シリアスプレイ®︎メソッドでは、まず、ファシリテーターによって問いが出される(トピックが提示されるのに近い)。続いて、それに対するモデルを作る。作られるモデルは、問いに対する答えを表しているが言葉そのものではないので比喩の一種(私の問いに対する答えはこのモデルのように表される)としてみることができる。つまりモデルは「3-2-1」の「1」である。

 そして、作られたモデルを示しながら問いに対するストーリーが語られる。このストーリーを構成する核となる言葉が「3-2-1」の「3」に相当する。

 さらに、モデルから生まれるストーリーを聞かされた後に、まだモデルの中の答えでは明かされていない(モデルから換気される)質問を考えれば、それは「3-2-1」の「2」に相当する。

 ここまで見てくると、3つの流れについてはレゴ®︎シリアスプレイ®︎メソッドでは「1-3-2」となるといえるだろう。

 「ブリッジ」部分は「モデルを作る、語る(キーワード抽出)、追加の問いを考える」のセッションを前後で2回行い、そのモデルを比較することで行うことができる。

 以下の記事のようにブロックで作られたモデル同士の表現比較は、言葉や文字での比較よりもしやすい。視覚が思考に与えるパワーというべきものを感じる。

 レゴ®︎シリアスプレイ®︎メソッドを活用して、この「3-2-1 ブリッジ」に使われているように前後比較をしていくことは、思考の変化、すなわち自らの学びを確認するために非常に良いと思われる。

 実践するときの注意点としては、レゴ®︎シリアスプレイ®︎メソッドの標準的な進め方ではモデルから「問い(2に相当)」を考えることは任意とされることが多いが、そうなるとこの「3-2-1 ブリッジ」の良さが失われてしまうので、意識的に時間を確保して問いを2つ考えて出してもらうようにすれば良いと思われる。

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