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レゴ®︎シリアスプレイ®︎のワークショップにおけるモデルの上手さについて

 レゴ®︎シリアスプレイ®︎メソッドを活用したワークショップでは、参加者が様々な問いに対して作品をつくっていく。そこで作られる作品に対しては、上手ー下手の評価はない。そのことは参加者にも伝えるのであるが、そう言ってもブロックで作品を「うまくつくれない」と思い、ワークに苦手意識を持つ人がときどきいる。

 私もレゴ®︎シリアスプレイ®︎メソッドを活用したワークショップのファシリテーターとしてブロックの作品は1万以上は見ているが、ときどき、ブロックの組み合わせ方や作品の意味づけの仕方で驚かされることがある。それを考えると、ワークショップの参加者のなかで他者の作品の作り込みと語りに触れて、どこか気後れしてしまう人がいてもおかしくないと思う。

 だからといって苦手意識をもつ参加者が、ワークの中で萎縮していく方向に向かうのはできるだけ避けたい。私自身、完全な打開策をもっていないが、いまのところファシリテーターとして気をつけていることは次の3つである。

① 一人一人の作品について向き合い、話を聞き、しっかりと作品に表現できていることを認める。
 ーシンプルな作品であればあるほど、より作品表現について質問を重ね、その作品が語る内容をもっていることを強調する。一人ひとりにかける時間をできるだけ均等化する。

② 作品があまりにも簡素な場合、作っている段階から追加の問いを投げる。
 ー簡素に表現することを良しとすることを否定はしないが、問いに対してあまりにも簡素な表現(究極はブロック一つで表現)にしている人は作品作りに苦手意識を持っている可能性がある。それを考えて、早めに作りおわった参加者には、積極的に声をかけ、説明要素を増やしてもらうようにはたらきかける。

③ 導入から、あまり多くのブロックを使わないようなワークの設計にする。
 ーワークの前半で作品で使うブロックの個数を制限することは、作品づくりの技巧に光が当たらないようにする効果がある。ブロックの種類を限定したWindows Exploler Kitから始めることや、「ブロック10個で〜について作ってください。」などするのは参加者の不安を引き下げることになるだろう。

 3つほど紹介してきたが、改めて基本になるのは、ファシリテーターが全ての作品について上手い下手を評価しない態度を徹底することであると思う。私自身、作ってもらった作品にのめり込み、特にそれまで出会ってこなかった表現などに過敏に反応してしまう性質なので、気をつけていかねばと、この文章を書きながら自戒している次第である。

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