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嘘つきが教える嘘つきはこういう奴/成長して美人になった人編

 美人というのは二種類に分けられる。幼少期から顔が整っていた美人(先天性美人)と成長するにつれ顔つきが変わり美くしくなっていった美人(後天性美人)の二種類だ。
 先天性美人は美人であるのは当たり前で周りからちやほやされるのも当たり前、故に着飾ることなく周囲から美人の恩恵を受けられるのである。
 一方、後天性美人は元々は美人だなんだと言われることが少なかったために美人というステータスの希少性を知っている。故に磨き続けるし、ブスと呼ばれることがないように弛まぬ努力を続ける。そして弛まぬ努力の中で後天性美人は相手にとって理想的な振る舞いが一体どういうものなのか見極める目がついてくる、魅力的な振る舞いができようになるのだ。
 そうして鍛え続けた相手の理想を見抜く目とその理想の姿に見せる演技力が相手を騙すことを容易にしていく。よく誤解されるがイケメン・美女だから贔屓されるのではなくプラスアルファの要素があるから贔屓されるのだ。後天性美人は美人であることに加えて相手の求める態度をできるから人を騙せる。
 理想的な振る舞いをできれば相手を操ることも容易になる。
 そして後天性美人は何度も相手に色仕掛けをするため相手の牙城を崩すことができる。心理学の世界にスリーパー効果というのがある。信じられないと思うようなことでも時間が経つと信じてしまっているというこういった効果である。加えて単純接触効果、刺激を複数回繰り返すことでその刺激に好感を持つようになるというものだ。これによって色仕掛けが微笑ましく思えてくるのである。
 後天性美人はがつく嘘はリップサービスや事前に用意した嘘である場合が多い。リップサービスはとっさの嘘に近いが騙せたらラッキーくらいの嘘で相手に自分の思惑がバレていても良いと思ってつく点が違う。気のない相手に好感を持っているような発言をし続けるのがまさにこのリップサービスという嘘だろう。そしてリスクのある嘘には事前準備を怠らない。嫌われる怖さや嫌われた人間がどうなるか分かっているからそこに繋がる信用の大切さを知っているのだ。
 後天性美人は攻め方だけでなく引き際に関しても心得ており嘘がバレそうな時はバレる前にバラす。潔さも好かれる秘訣なのだろう。

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