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単純接触効果

 流行の歌や長年愛される歌、これには共通点がある。ラブソングであることや特徴的なフレーズがあることなど様々な要素があるが同じ歌詞、同じ音階の列を繰り返すという特徴がある。
 同じ歌詞、同じ音の列を繰り返すとどうなるのかといえば聴いている人の脳にその歌詞、音が刷り込まれるのである。
 一度聞いただけでそうなるのだから二回三回と聞けばイヤーワームと呼ばれるようなボーッとしている時にその歌詞のフレーズや音が自然と頭に浮かんでくるという現象が起こりまた聴きたくなるというサイクルが出来上がるのである。
 さて、話は変わるがセールスマンが契約をとるテクニックにこんなのがある。
 一度に長い時間話しをするのではなく何度も会いに行って話しをした方が契約がとりやすいというものである。これは何度も時間を使った方が意識をする回数が多いために心を許すために契約をとりたくなるのだ。これを単純接触効果と呼ぶ。
 この単純接触効果が音に関しても発動するとすれば同じ歌詞、音の列を繰り返す歌が売れるのは納得だろう。
 さて、単純接触効果が歌詞などにも応用出来ることはわかってもらえただろうか、この単純接触効果は他にも発言をする際にも利用できる。
 有名な政治家やその他演説者達は何度も同じフレーズを繰り返すことで人々に自身の考えを植え付けた。
 かのヒトラーは何度も「全ての労働者に職とパンを!」というフレーズを演説の中に何度も盛り込んだ。当時のドイツは貧しい人が多くいたためにこのわかりやすいフレーズを何度も何度も聞くうちにこの人ならより良い社会を作ってくれるだろうと信じてヒトラーを皆選んだのである。
 大統領選でも同じフレーズがよく使われる。よく、どころか候補者は皆繰り返すフレーズを持っているという話だ。オバマ元大統領だったら「Yes we can」トランプ元大統領だったら「We make great America again」というふうに同じフレーズを繰り返すことによって人々に自分という人間の考え方を刷り込んでいる。
 さて、ようやく嘘の話になるが嘘は何度も言うことで信じられる。一度の会話の中で嘘をつくのは一度かもしれないが何度も同じ嘘を(つくタイミングがあれば)つくと次第に皆信じてくれるようになるのである。
 嘘にも単純接触効果は適用されるのだ

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