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自己開示の返報性

自己開示の返報性
 日常生活の中に当たり前に存在する返報性の法則の話は好意の返報性の講で紹介したがこの講では返報性の中の自己開示の返報性をご紹介する。
 自己開示の返報性というのは簡単に言えば自分の心の深い所を話せば話すほど相手も自身の心の深い所を話してくれるという効果で、例えば学校生活で友達を作ろう、他人と仲良くなろうと思う時、自分はこういう人間だとさらけ出せばさらけ出すほど(よほどガードの堅い人間でない限り)相手も自分のことを語ってくれるだろう、これはこの効果が働いているのである。
 自己開示の返報性は営業でよく使われたりする、営業をかけたお客さんに対してあえて営業とは関係のない自分の話をして涙を誘う、そしてお客さんも営業マンの話に誘われて「私もこんなことがあってね」と身の上話を始めるのである。結果、お客さんは帰る頃には営業マンを信頼できる相手と認識するようになっているのである。ここまでくれば商品が売れたといっても過言ではない。
 さて、相手に話す身の上話だが、必ずしも本当である必要はない。本当に困っていることを話せば自分は相手に本当に心を許してしまいかねない、事前に詳細に作りこんだ話をするのがいい。作りこみも作りこみで中途半端ではいけない、なぜならこの方法は失敗すれば反動が大きいからである。
例えば、あなたが営業マンに自分は実は転職続きで仕事がうまくいっていないと言われたとしよう、あなたは深く営業マンに同情するわけだが、別のある日、その営業マンが会社でもやり手の凄腕で数年間その業績を落としていないと彼自身の口から漏らしてしまった。きっとあなたはこの人は信用できないと思うかもしれない。
 さて、この講と嘘の関係についてだが、ここまで読んでわかる人は分かるかもしれないがこのテクニックは相手の懐にはいるのに便利である。
 話は少し逸れるがあなたは嘘を嘘か否か判断するうえでどこを見ているだろうか?服装?話し方?それもあるが人物自体の信用性は大きい。加えて、事前にニ、三回会ったことがあり初対面の時にこの信用テクニックを使っていれば相手はあなたのことを強く信用しているだろう。
 ただ、一つ難しいのはあまりにも自分を知っている相手には通じないという点だ。友人、家族、恋人、親しい間柄の人間にはこのテクニックは使えない。
 そんな間柄で使っても「知っている」と言われて終わりである。

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