無関心性信用
脳は勤勉な怠け者である。どういうことかというと少しでも脳への負担が減るように脳は情報の簡略化や排除を積極的に行うようにできているのである。
嘘の基本の講で紹介したハロー効果なんかはいい例だろう、他にも様々な効果がこの脳の怠惰により起きているが今回は情報の受け取り方について取り扱う。
いきなりだがあなたが無条件に信じる言葉というのはどのような言葉だろうか?
信じたい言葉や信用できる人物の言葉、そしてどうでもいい話ではないだろうか?
友達がくっついた離れただの、あのお店に新商品が出ただの信じようが信じまいが得も損もしないことに関しては基本人間は信じるようにできている。
つまりどうでもいい嘘をつけと言っているんだな、と誤解を与えてしまっているかもしれないがそうではない。
大事なのはどうでもいいことでも人間は覚えているという点なのである。
例えば、「望遠鏡を買った」と友人に嘘をついたら簡単に信用されるがある時こう言い出すかもしれない、「望遠鏡で星空見てるんでしょ?今度見せてよ」と
本人にとって何気ないことでもその発言が少しでも相手の心を動かせば相手の記憶に残るのである。
これを利用して嘘を重ねて見破られない嘘を作り上げるのである。
まず、どのような嘘をつきたいかを決める、次にそれに関係するどうでもいい嘘を考える。そしてどうでもいい嘘を何日かかけて伝えていく、そして最後に本当につきたい嘘を言うのである。
これは少しわかりにくいかもしれないので例をだそう、
例えば「自分が結婚式をやるから来てほしい」という嘘をつきたいとする。
まず○○さんという人と付き合っているという嘘をついて、○○さんとそろそろ結婚したいという嘘、○○さんとの馴れ初め、その他様々な結婚式や○○さんにまつわるどうでもいい嘘をつき、そのあとに「結婚式をやるから」という嘘をつく、すると結婚式の件や○○さん(実在しなくてもOK)についてすでに信用を得ていているため、いざ結婚式となっても相手は信じてくれるのである。
一貫した内容で嘘をつき続けると信用させることができるという点は一貫性信用にも通じるところがある。
どうでもいいことは人が簡単に信じる分そこには抜け穴があるのである。