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「今、思うこと」を読んで

facebookをスクロールしていたら、今年の聞き書き甲子園に参加している宮島梧子(みやじま ここ) さんのnote記事が目に入りました。

春休みに東北へ行こうとしていたこと、それを心待ちにしていたこと、だけどウィルスのことを考えて断念したこと。そんなことが切実に書かれていましたが、心惹いたのは次の文章でした。

「夏休み以降どんどん見えてきた、自分の目指すものは何ひとつ壊れていないことにも気付かされました。人との縁も、準備の記録も、取っておいたお年玉も(笑)、全部残っているじゃないか!」

宮島さんは、東北行きを断念した時に、あるいは行くかどうか悩み始めた時から、どこか喪失感や悲しさを抱いていたんだと思います。誰が解決してくれるでもない、そんな孤独な言いようのなさを自分で100パーセント受けとめている人が、今の世界にはたくさんいるはずです。

独りの時間を経て、宮島さんが気づいたのは「残っている」ということ。やるせなさはあったけれど、ここからまたリスタートできるということ。失っていないということ。
そんな力強さを文章から感じて、僕の心も少し軽くなりました。

2020年、3月。本来進むはずだった未来の道すじを、世界中の人々が否応なく逸脱し始めました。つい最近まで見えていなかった分岐点を、右へ行くのか、左へ行くのか。

書き手:工藤大貴


ありがとうございます。 列島ききがきノートの取材エリアは北海道から沖縄まで。聞きたい、伝えたい、残したいコトバはたくさんあります。各地での取材にかかる交通費、宿泊費などに使わせて頂きます。そして、またその足跡をnoteで書いていければ。