大好きだから、諦める

岩橋玄樹くんが、King & Princeを脱退した。

シングルが発表されるたび「次はいるかな？」とソワソワする日々が終わる。ジャケットが発表されて落胆する日々が終わる。ファンクラブのメールが届くたび、玄樹くんのことかな？と思い開いてしゅんとする日々が終わる。

これまでの、小さなことに一喜一憂していた日々が終わる。

あまりにも突然すぎる終わりだった。
あの一喜一憂ができているだけで幸せだった。
終わりが来る時は彼が帰ってくる時だと信じて疑わなかった。

脱退が発表されてからは、何も手につかなかった。
就活中の私は、出そうと思っていたESを何枚か見送った。発表の次の日は録画面接を録画しなくちゃいけなくて撮影していたけど、どうしても玄樹くんのことが頭にチラついて言いたいことが頭から飛ぶ。1分ほどの動画を撮るのに5時間かけてしまった。

それでも、彼に気持ちが届く可能性が0.01%でもあるのなら、と思い、速達よりも速い郵便でお手紙を書いた。彼は自分の弱い心を責めていた。だけど、あなたは弱くない、決して弱くない、そう伝えたくて、書きたいこともまとまらないままただただ必死に手紙を書いた。

5人の動画を観ても、全然受け入れることができなかった。
むしろ、なんで笑ってるの？なんてことを思ってしまった。
5人はもう清々しく前を向いているのに、その気持ちに追いつけない自分が憎かった。
「ずっと待ってるって言ったのに」
そう思ってしまう自分が憎かった。

初めて感じる、5人への不信感。
初めて知るこの気持ちに戸惑いが隠せなかった。

ぐっちゃぐちゃの感情、何をしててもチラつくシンデレラガールを歌う玄樹くんの笑顔、そして溢れる涙。
こんなに心が落ち込むのは、記憶の中で無かったんじゃないかと言うくらい、落ちるところまで落ちた。

絶対に来ないでくれ、時よ止まってくれ、

そんな無謀な願いも虚しく、無情にも平然とした顔で4月1日がやってきた。


でも、この4月1日に、私の世界はガラリと変わった。

玄樹くんの、Instagramの開設だ。

友達からの電話で知り、見てみると、苦しいほどに焦がれていた玄樹くんの姿があった。数年ぶりの彼の姿は、信じられない程に美しかった。

文章もなんとも彼らしい。優しく温かくまっすぐだ。

「ボロボロになったとしても必ず立ち上がります」

大好きで大切なPrince Princessの歌詞に乗せて、力強くそう言ってくれた。

「必ずこの先に明るい未来が待っていると信じて、辛い今を乗り越えないといけません」

脱退を発表した玄樹くんは抱えていた荷物を一つ下ろしたかもしれない。でもそれはきっと彼が1番手放したくなかったものだ。誰よりもアイドルという職業を愛し、こだわり、全うしてきた彼が今、辛くないわけが無い。でも、”必ず”明るい未来が待っていると信じて、乗り越えようとしている。これは彼が自分に言い聞かせていたのかもしれないけれど、辛いファンへの励ましの言葉にもなっているだろうし、私はファンとして励まされただけでは無く、打ちひしがれ続ける就職活動に対しても励まされた気持ちになった。自分自身も辛いのに、私を含む何十万人もの人達の心を救う岩橋玄樹という人間が弱い人間な訳がない。そしてやっぱり、彼は至高のアイドルなんだと改めて確信した。

そして、「『アイドル』という職業は僕にとって天職でした」

この言葉。「玄樹はアイドルが天職だよ」という神宮寺くんのこの言葉。いつでも玄樹くんのお守りになっていたこの言葉。この場でも神宮寺くんとの絆を見せてくれたことに感動した。そして、彼が「天職」と自分で言い切ることができたことに安心した。良かった。彼はちゃんとアイドルでいた自分を誇ることが出来ている。そうだよ、あなたはアイドルが天職だよ。

そんなことを思いながら、私はある言葉を思い出した。

大好きなことを続けるのって、本当に難しいじゃないですか。
”好き”が”嫌い”に変わってしまいそうな時は、僕、一度全部諦めるんです。それで、また、一から作り始める。
諦めることは怖くないです。だってそこに近づけるようにまた頑張れるし、一度離れることでまた違った見方ができたりするので。

2018年のBARF OUT!(no.279)での玄樹くんの言葉だ。

いわちはアイドルを好きでいるために、一旦、諦めたんじゃないかな
だからこそ、「天職でした」って言い切れるんじゃないかな

好きだからこそ諦める。

きっと玄樹くんは、今までもそうやって色々なことを乗り超えてきたんだと思う。そして今も「必ずこの先に明るい未来が待っていると信じて、辛い今を乗り越え」ようとしているんだと思う。

一貫していて、芯のある、まっすぐな素敵な人だ。

これは1ファンの勝手な独り言だから、という言い訳して、言わせてほしい。

玄樹くん、きみのことが大好きで大好きでたまらないよ。

こんなこと言われても困っちゃうかもしれないけど、
いつでも帰ってくる場所はあるよ。

いつもファンを第一に考えていてくれた人だから、これからは、難しいかもしれないけど、自分のことを一番甘やかして、一番優先してね。

自分の１番の幸せの中に、King & Princeに戻るっていう選択肢がもし今後出てきたら、ためらわずに選んでね。前例の有無なんて関係ない。玄樹くんの幸せが何よりも大切だよ。玄樹くんの周りには、味方が沢山いるよ。玄樹くんの幸せが私達の幸せだってこと、忘れないでね。

闇に押し潰されそうになる日もあると思うけど、それを遥かに超えるような、ボロボロになっても立ち直れるくらいの、大きな大きな優しさと愛と光があなたを包み込みますように。
その一端に、私たちがなれますように。

今回の件で、胸を痛めなかった人なんていない。悲しくなかった人なんていない。苦しくなかった人なんていない。辛くなかった人なんていない。
でも、その痛み、悲しみ、苦しみ、辛さを全て抱きしめて、6人は前を向いてるんだよね、
これに気づくのにすごく時間がかかってしまった、ごめんね、、

玄樹くんのインスタやこの過去の言葉のおかげで、前を向くことができたよ、
本当にすごいよ君は。自分が大変なのにこうやって人を救い続けてるんだから。敵わないよ。
だから自分に自信持って、沢山自分を誇ってね。

だいすき、ありがとう。

そしてこれからもよろしくね。

6人のことがずっと大好きだよ、だから5人のキンプリも応援するから安心してね。

------------------------------------------

玄樹くんで出来た穴は、玄樹くんでしか埋まらない。
だから私は、これから何年経っても5人のKing & Princeに穴を感じていくのだと思う。

でもその穴も丸ごと全部、私は愛します。

そう思えるのも全部、玄樹くんのおかげだよ。

6人が決めた道を受け入れようと思わせてくれてありがとう。

どうか今日も、6人が健やかに過ごせますように。

愛を込めて。

紗