浮かぶ存在になる

本日、かなり恥ずかしいことがありました。

私は「日本放送作家名鑑」という
放送作家のインタビュー記事を載せるサイトを運営しているのですが
今年1月に「放送作家になりたい人座談会」という特集記事を書きました。

その内容は、
放送作家になりたいけどなれていない放送作家志望の子を3人を集めてズーム座談会を開き、「何が得意か?」「何ができるか?」をアピールしてもらい、その記事をテレビ関係者に読んでもらうことでオファーが来ればいいな、というもの。

そして、記事を掲載してから3か月が経った日。
今から2週間前なんですけど、ある会議でプロデューサーから
「若手作家でアニメに詳しい子、知らないですかね?」と聞かれたんですが
全く思い浮かばずに
「いや~、思い当たらないですね~」と返しました。

そして今日、その会議に出ると
座談会に出ていた1人が「アニメに詳しい若手作家」として
他の人からの紹介で会議に参加していました。

そう、その子が座談会でアニメ好きをアピールしていたことをすっかり忘れてしまっていたんです。

さんざんアニメ好きについて話を聞いたのに、
それを文字起こしして記事にまでしたのに、です。

ズーム画面で彼を発見した瞬間、僕はめちゃくちゃ恥ずかしくなり
「穴があったら入りたい」とはこのことかという気分を味わいました。

「自分はこういうことが得意ですってアピールしてたら
きっとそれを知って呼んでくれる人がいるはずだから」
って言って座談会を主催した自分が、
たった3か月ですっかり彼の存在を忘れてしまっていたんです。


と、まあこんな恥ずかしいことがあったんですが、
このnoteで僕はマヌケな失敗エピソードを書きたかったわけではなく、
あることを再認識しました、ということを記しておきたかったんです。

それは…「他の誰かの頭に思い浮かぶ存在になるって難しい」ということ。

ここから先は自分のマヌケさは棚に上げて話しますが。

たまにテレビ関係者以外の人から
「放送作家で売れる人ってどんな人なんですか?」と聞かれます。

その時その時によって色々な返答をしてきました。


「考えること・書くことが面白い人というのはもちろんある。でも売れるというのはそれだけではない」「コミュニケーション能力がある人」「人当たりがいい人」「企画書をたくさん書く人」「会議を盛り上げてくれる人」「知識がある人」「謙虚な人」「人のアイデアを否定しない人」「親身になって相談に乗ってくれる人」など。

ただ、これらをひっくるめて一言で言うなら
「売れる人って”浮かぶ人”」だと思います。

たとえば…
「今度、こういう番組をやります」
「放送作家は誰がいいかな?」

そんな時に、どんな理由であれ
キャスティングする人の頭に「浮かぶ人」が売れる人なんだと思います。

そして、その浮かぶ理由はさまざまです。
●クイズ番組だったらクイズ王のあの人がいいんじゃないか?
●お笑い番組だったらコントが書けるあの人がいいんじゃないか?
●この芸人を使うから座付き作家のあの人も入れるべきか?
●作家にキツイ言い方されるのが好きじゃないから物腰柔らかなあの人がいいな。
●今まで無償でたくさん企画書を書いてくれたあの人を呼んであげたい。
●噂でよく聞くあの人と1度仕事をしてみたい。
など。

どんな理由であれ、こんな風に多くの人にとって
「浮かぶ人」になることが出来ている人が売れっ子放送作家なんだと思います。


そして、この企画倉庫もそれを意識しないといけないなと思いました。

※前もって言いますが、ちょっとイラっとするワードTOP10に入る
「フェーズ」を使いますね。

今、企画倉庫は「ユーザーの需要を確認しながらサイトの内容を少しずつバージョンアップさせていくフェーズ」「少しずつ多くの人に知ってもらっていくフェーズ」です。

そのフェーズの次のフェーズは、
「企画倉庫が多くの人にとって”浮かぶ存在”になる」というフェーズです。

企画倉庫の存在を知ってもらっていても
いざ仕事をする時、企画を考える時に
企画倉庫の存在を思い浮かべてもらえないと使ってもらうことは出来ません。

正直、現段階のサイトの内容では
多くの人にとってパッと頭に浮かぶ存在ではないと思います。

近々、公開する【テレビ制作者向けページ】によって
おそらく企画倉庫が浮かぶ人を劇的に増やせると思っているのですが
でもまだそれだけでは足りません。

より多くの人の脳内に入り込み
浮かびやすくなっていくためにこれから様々な取り組みをしていくつもりです。

それはこのnoteやTwitterで定期的に発信することはもちろん、
さまざまな形でみなさんの脳に接触していきます。


そして、やがては
「浮かぶ存在」から「無くてはならない存在」になりたいと思っています。

そんなことを、自分のうっかり物忘れから強く再認識しました。

座談会の件は、本当にすみませんでした。



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