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今さら聞けないルビーチョコレート ~バレンタイン2020~

2017年に発表されたルビーチョコレート。
ストロベリーチョコレートではないピンクのチョコレート、鮮やかでキュートな発色とその希少性が売りのルビーチョコレートは、女性をターゲットとして2020年のバレンタインシーズンにも商品が多く登場しそうです。

ルビーチョコレートとは。

チョコレートといえば、ダーク(ビター)、ミルク、ホワイトと3種類が挙げられますが、「驚くべき発見の第4のチョコレート」として、2017年秋に世界に発表されたのがルビーチョコレート。エクアドルやブラジルなどのカカオからある特定の条件を満たした「ルビーカカオ豆」から作られるルビーチョコレートは、着色料などは使用せずとも、鮮やかなピンク色をしています。スイスを拠点とした世界的チョコレートメーカー「バリーカレボー社」が10年をかけて自然な色と味をそのまま抽出する特殊製法を開発し、2017年10月に世界へ向けて「ルビーチョコレート」として発表しました。

※バリーカレボー社HPから引用

ルビーカカオ豆内に天然に存在する独特な成分により、これまでになかったルビー色でフルーティーなチョコレートが生まれることを私たちのカカオのエキスパートが発見しました。そして長年の研究結果の結果、この物質が豊富に存在するルビーカカオ豆を特定し、チョコレート製造過程における最適な加工方法を見いだしました。

ルビーカカオ豆はブラジル、エクアドル、コートジボワールなどカカオ産出国で育ちます。カカオ豆がルビーカカオ豆かどうかは、種類や原産によって決まるのではありません。カカオ豆にルビーカカオ豆の特徴をもたらし、ルビーの色と味を引き出す前駆物質が自然に存在するものがルビーカカオ豆なのです。


ルビーチョコレートの味

ルビーチョコレートは、ミルクのまろやかさと甘みに加えて、さわやかな酸味があるのが特徴。フルーティな印象がありますが、もちろん、ストロベリーチョコレートとは異なり、フルーツフレーバーやベリーなどは加えられていません。


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ルビーチョコレートは原材料として広く供給されています。**

2017年の発表後、バリーカレボー社のルビーチョコレートは、日本の多くの製菓会社やメーカーに原料として供給されています。

(参考)
バリーカレボー社は、グループ全体で世界各地に約60箇所の生産施設があり、売り上げは年間約69億スイスフラン。BtoB企業としての地位を確立しており、世界各国の食品メーカー、ショコラティエ、パティシエ、ホテル、レストラン用等、商業的そして専門ユーザーまで商品を提供。世界で消費されるカカオとチョコレート製品の4分の1には、バリー・カレボーの製品が含まれるとされている。


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そして、ルビーチョコレートが世界で初めて市販商品化されたのは日本。**

初登場の商品は「キットカット ショコラトリー サブリムルビー」として2018年のバレンタインシーズンから発売されました。「ル パティシエ タカギ」「ル ショコラティエ タカギ」のオーナーシェフ“高木康政”氏が全面監修しています。



2020年バレンタインシーズンにはさらに多くのブランドにルビーチョコレートが広がりそう。

2020年にはさらに数多くのルビーチョコレート商品が発売されることになり、コンビニやスーパーで手に入る商品、有名シェフのパティスリー、手作り用の製菓材料など、市場を拡げています。

不二家
ルック 宝石ショコラ(ルビーカカオ)


森永製菓
カレ・ド・ショコラ&ルビーカカオ

ルワンジュ東京
レーヴルショコラ ルビー リップショコラ


ユーハイム
ルビーミルフィーユ


西山酒造場
小鼓 モンテオエステ ロゼ ルビーチョコレートリキュール


手作りする人のためには、ルビーチョコレートの製菓材料も登場しています。

CALLEBAUT(カレボー)
ファイネスト ベルギー チョコレート ルビー RB1


富澤商店
ルビーチョコレート



しかし、ルビーチョコレートの定着には、大きなハードルがあります。

チョコレート業界に革命をもたらしたとされるルビーチョコレート。これまでの色や味とは異なる新しいチョコレート、新しいチョコレートのジャンルとして定着するでしょうか。

なんといっても、これまで「ピンク色のチョコレート=ストロベリーチョコレート」にどう対抗するのかが課題です。ストロベリーチョコ(いちごチョコ)は定番的人気を誇り、現状見た目はとても似ているのに、イチゴの味でないことは混乱を招きます。スーパーやコンビニには冬~春の季節には、桜を含め、ピンク色の商品が多く並んでいます。実際のことろ、スーパーやコンビニで、ストロベリーチョコとルビーチョコが混在している場面を筆者はまだ目撃していません。(2020年2月時点。)

そしてなにより大きな懸念点は、ストロベリーチョコでないピンク色のチョコレートが、ストロベリーチョコ(イチゴ味のチョコ)の需要を超えるのかというところです。筆者自身も、ストロベリーのチョコがとても好きですし、ストロベリーチョコはなくならないでしょう。
果たして、共存できるでしょうか・・・。


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