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国産レモンが牽引したレモンブーム。

近年、息の長いレモンブームが続いています。
特に、瀬戸内レモン(広島レモン)に代表される国産レモンの認知・人気の高まりと連動しており、レモンを使った、お菓子・スナック、お酒、調味料などの食品を中心に、レモンを前面に押し出した商品を見かける機会がとても多くなりました。


レモンブームのきっかけは瀬戸内レモン

瀬戸内レモン(広島レモン)の生産地である広島県は国産レモンの生産量日本一。
第一位の広島県が国産レモン生産量の約60%、第2位の愛媛県を含めると、瀬戸内エリアで80%以上を占めることになります。
瀬戸内地方は温暖な気候で降水量や台風も少ないため、雨と風に弱いとされるレモンの栽培に適しているとされています。

食の安全性への意識が高まりとともに、2000年代に入り農産物の地域ブランド化が産官民連携で積極的に活動されるようになると、瀬戸内レモンのPR活動も成果をみせるようになりました。
さらに2012年頃からは、広島県が多くの民間企業と協定を結び、瀬戸内レモンを使った商品をコラボ開発したことで、瀬戸内レモンの名がついた商品がますます多く登場しているのです。


レモンブームの火付け役は?

・レモスコ
広島にある食品総合商社・ヤマトフーズが開発したレモンのタバスコ「レモスコ」。
レモン果汁と皮、酢、唐辛子、藻塩をブレンドしたもので、レモンの酸味に唐辛子の辛さが加わる辛味調味料。
青唐辛子を使った「レモスコ」とハバネロを使用した「レモスコRED」の2種類があり、広島名物として、観光客はもちろん地元でも人気です。
メディアでも多く取り上げられており、レモンブームの火付け役となった存在です。


・イカ天 瀬戸内レモン味
レモンブームの火付け役となったもう1つの大人気商品が、広島県尾道市にある、まるか食品の「イカ天 瀬戸内レモン味」。
「イカ天」は広島県、特に尾道市の名産品で、同じ広島の名産品である瀬戸内レモンとコラボレーションし、発売以来、累計1000万袋以上の売り上げを記録。
2015年には雑誌・日経トレンディが選ぶ「ご当地ヒット大賞」にも選ばれています。


・レモンサワー
おじさん世代の定番ドリンクであったはずのレモンサワーが、若者の間でも人気が高まり、女性も含めて全世代での支持を得ています。
その理由の一つは健康ブーム。
レモンサワーは焼酎(蒸留酒)をベースにしているため他のお酒と比べて低糖質であり、レモンの摂取によってビタミンも補給できるのでヘルシーなアルコールドリンクといえます。
また、見た目の良さとバリエーションの広さが飲食店での需要に貢献。
日本酒をベースにしたものや、レモンを丸ごと凍らせて皮ごとすりおろしたスムージーカクテルなど、進化系レモンサワーと呼ばれるものも登場していますし、見た目にもこだわったSNS映えするフォトジェニックなレモンサワーは、若者人気を支えています。




レモン関連商品いろいろ。

レモンブームの象徴ともいえる「瀬戸内レモン」ですが、2019年の現在まで、その名前を冠した商品が非常に多く登場しています。
今までの柑橘類の加工品として多かった果汁やジャムだけでなく、幅広い菓子類、調味料、乾物など今までにないし加工食品にまで広がっていることが特徴です。

SNSで話題を集めたハート形レモン

ハート型レモンを使った紅茶「フロートレモンティーレモンハート
SNS映えすると人気を集めた商品の一つが輪切りにすると断面がハート型なるレモンを使った紅茶セット。
乾燥させたハート型レモンと国産紅茶のティーバックがセットになっていて、生のレモンをスライスして準備するのは手間がなく、気軽にお洒落なレモンティーを楽しむことができます。
SNSで話題になり、メディアでも多く紹介され、プチギフト品としても人気。


その他の瀬戸内レモン商品・店舗

●伊藤園・チチヤス 瀬戸内レモンでおいしい 乳酸菌ソーダ

●カゴメ 野菜生活100 瀬戸内レモンミックス 

●ポッカサッポロ 瀬戸内レモンレモネードベース

●メイト― 瀬戸内レモンのこだわりプリン

●カルビー ポテトチップス瀬戸内レモン味

●ヤマトフーズ  レモニオンソース

●フジパン 瀬戸内レモンケーキ





「国産レモン」であることの価値。

レモンは昔から日本の食文化に根付いていて、多く人たちが慣れしたしんだ食材です。
しかし、現在でも国内流通量の90%近くは輸入品で、国産のレモンは全体の10%程、価格も2~4倍です。
現在のレモンブームは、瀬戸内レモンという「国産レモン」が、ブランディングに成功していることが大きな要因です。
国産レモンが、生食だけでなく幅広い加工品や飲食メニューにも波及する際、そこには「国産」という安心・安全などの品質に対する評価および希少性が魅力となったことでしょう。

ここ10年ほどの瀬戸内レモンのPR努力の結果、全国展開する大手食品メーカーとコラボした商品も多いことで、認知も広まり、同時に、栽培農家が、食品加工(第2次産業)、流通、販売(第3次産業)にも総合的に関わるいわゆる「6次産業化」した例も多くなりました。
しかし一方で、前述のように、日本ではレモン栽培に適した農地が少ないことと、栽培に対する手間やコストの関係から、農家にとってはまだ課題があると言われています。

これからも農産地と企業のコラボによって、国産農産物がブームを生み出す例は、今後も現れることでしょう。
それらが、一過性の商品としての話題性だけでなく、農業地および生産者と企業の継続的な連携、プロモーションが行われ、海外も視野にいれた日本農業の活性化に繋がるようなストーリーを期待しています。


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