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ドライフラワー屋さんで働いています

季節はクリスマス の1週間前。 ドライフラワー屋さんも プレゼントやご自宅の飾り付け用に オーダーが増え、繁忙期を迎えている。 「24日に受け取りたいんですけど…」 「妻にあげようと思って…」 「文字はMerry Christmasって 書いてください。」 休日になると、多くのお客様が来店し、 オーダーメイドで想いのこもったプレゼントの 用意のお手伝いをさせていただく。 「あの…文字はこれを…」 指差した先には、店頭にあった ブーケの入ったクリアフレーム。 その側面に

    • 21時を過ぎた駅のホームに

      スーパーで売っていたピザ一枚を お一人で食べるサラリーマン。 ホームのベンチに座って 両足の上げ下ろしで腹筋を鍛えている人。 文章的には あともう一人ぐらいいるとまとまるが、 今日はこのおふたりが目につきました。 ちょっとゆかいな駅のホーム。

      • ドライフラワー屋さんで働いています。

        このアナベルをください。 お買い上げいただいたのは、 柔和な印象のおばあちゃんだった。 「これをね、短く切ってこんなぐらいの器に 入れて飾ろうと思って…一本で足りるわよね?」 彼女は、両手でお椀の形を作りながら語った。 「はい。アナベルはボリュームもありますし、 おひとつでも十分だと思います。」 「そうよね。」 そう言って嬉しそうにお会計される。 「あのね。ここのこと知ってて、今日は御影から来たの。」 「そうなんですか? わざわざありがとうございます。」 電

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          常連の マ(*´エ`*)イ さん とにかくしゃべる。 こちらの業務はお構いなしにしゃべる。 自分でお花のアレンジメントを作られるので、 作った作品の写真を見せてくれる。 写真をもとに解説をしゃべるしゃべる。 スマホで見せてくれた後は デジカメの写真を見せてくれる。 しゃべるしゃべるしゃべる。 「ミモザの季節の時は 部屋中ミモザだらけだったのよ。」 「かすみ草は生で使って、 ドライだとほら ポキポキ折れるでしょ。」 「子供が学校で作った糸の子?の 残りの端材の板もら

        ドライフラワー屋さんで働いています

          ドライフラワー屋さんで働いています。

          スカーフが素敵なマダムが来店した。 「いらっしゃいませ。 何かお伺いいたしましょうか?」 「いえ。大丈夫です」 「何かお取りづらいものがございましたら お声かけくださいね」 自分でゆっくり決めたい方もいらっしゃる。 その場を離れた。 しかし、10分ほど経ってもマダムは店内をゆっくり見て回っている。 もう一度声をかけることにした。 「ご自宅用にお探しですか?」 「そうですね…うーん…悩んでて… もう秋!ってことしか決めてなくて…」 「それでしたら、 パンパスグラ

          ドライフラワー屋さんで働いています。

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          先日開店一番にお店に電話がかかってきた。 「もしもし、昨日15時ごろに 実のあるお花買ったものですが…」 クレームだ。 そう確信した。 昨日ツルウメモドキとパンパスグラスを ご購入いただいたお客様だ。 ツルウメモドキの実は強い衝撃を与えなければ そこまで落ちない。 実の周りの皮は次第に落ちていく。 しかし、持って帰った袋の底に 皮が落ちているのを見ると、 実が落ちたと勘違いしたかもしれない。 それは皮ですよ。 そうお伝えする心構えをしていた。 「あの実の名前なんだっ

          ドライフラワー屋さんで働いています。

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          おじいさんが来店した。 「いらっしゃいませ。 何かお伺いしましょうか?」 「ここは全部ドライフラワーなの?」 平日のある日、ふらりと立ち寄った様子の 年配の男性がいらっしゃった。 「そうです。一部造花のお花や、染めてあるお花もございますが、ほとんどこのお店で乾燥させて 作ったドライフラワーです。」 「へー!! 自分で好きなもの選んで作ってもらえるの?」 「はい。 アレンジメントは店頭にあるお花を選んで お作りいただけますよ。」 「へーーー!!」 おじいさんは、

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