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流体パワーシステム研究室の紹介

 みなさん,こんにちは!!
 私は流体パワーシステム研究室(川上研究室)に所属する学部4年の佐藤です.

 流体パワーシステムと聞いて,「一つ一つの単語は知っているけど何を指しているのかわからない...」と思う人もいらっしゃるのではないでしょうか.ここでは,川上研究室での研究と雰囲気をお伝えしたいと思います.

 これからの進路選びや研究室選びの参考になれば幸いです.

1 研究概要


 空気圧や油圧を使ったシステムはどのようなものがあるか知っていますか?

 鉄道車両が作られるまでを例にしてみてみましょう!

 まず,何もない土地の開発に建設機械を使用して工場を作ります.油圧を駆動源としている建設機械は大きな力を出すことができます.完成した工場には空調システムがあり,従業員は快適に作業を行うことができます.また,工場では工作機械組立機器を用いて製品や部品などの生産を行います.そして,鉄道車両が出来上がります.鉄道車両では,電線から電気を供給するパンタグラフドアの開閉ブレーキなどに空気圧システムが使われています.(図1)
 このように,流体システムは私たちが実際に目にする製品だけではなく,生産過程などにも利用されています.

図1 流体パワーシステムの応用分野 

 流体パワーシステム研究室では,流体を扱い,その特性や制御方法に関する研究を進めています.主に空気圧や油圧を駆動源としたシステムの構築,機器・要素の解析・開発を行っています.

2 研究紹介


 流体パワーシステム研究室での主な研究は図2のようになっています.これらの中には,企業と共同で研究を行っているものもあります. 

図2 研究室での研究展開

これらの中からいくつかご紹介します!

2.1 空気圧ロッドレスシリンダの制御

 空気圧シリンダと呼ばれる圧縮した空気を動力源とするアクチュエータを研究対象としています.(図3)制御を扱う研究が多く,古典制御やAIなどの制御手法の検討や,シリンダに空気を送る制御回路のハードウェア的な検討などを扱っています.また,実験による検証だけではなく,空気圧システムのモデル化を行うことで,シミュレーションによる検証も行っています.実験装置や電気回路の作成,プログラミングなど幅広い分野を学び実践していくことが大変であり,楽しくもあります.(濱田 貴至)

図3 空気圧ロッドレスシリンダの制御

2.2 空気圧非接触浮上デバイスの開発

 空気圧を用いて非接触で物を搬送するためのデバイスの開発を行っています.(図4)ハードウェアの設計から搬送制御まで学生がそれぞれ行っているため,機械制御システム学科で学んできたハードウェアからソフトウェアまでの幅広い知識を活用しながら進めています.自分が設計したものが形になり,動いた際には苦労の分だけ達成感もひとしおでした.(松田 隆志)

図4 空気圧非接触浮上デバイスの開発

2.3 空気圧マニピュレータの開発

 空気圧シリンダを駆動源とし,人間の指のような形状をしたマニピュレータを対象として研究を行っています.(図5)主に制御に関する研究と把持機構に関する研究に分かれており,NCフライス盤や3Dプリンタなどの機械を使って部品を製作することもあります.また,実際にマニピュレータを動かすときに使う装置が多くあるため,最初は装置の使い方や役割を覚えるのに苦労した記憶があります.(S.N.)

図5 空気圧マニピュレータの開発

2.4 手術用油圧ギアポンプの高性能化の検討

 歯車の回転により液体を送る「内接型ギアポンプ」について研究を行っており,主にポンプの出力向上につながる設計方法を実験や解析によって調べています.(図6)また,この研究は共同研究でもあるため,研究の傍ら依頼実験を行い報告資料を作成したり,企業の方々との打合せの調整も学生が行います.マルチタスクではありますが,その代わりに伝える力やマネジメント力など,企業の方々との打合せの中で得るものは多いと日々感じています.(松田 健志)

図6 手術用油圧ギアポンプの高性能化の検討

2.5 企業との共同研究

 油圧シリンダを用いた機構の設計を共同で行っております.企業の方々や先生方と意見交換を行い,それらのアイデアをもとに設計します.協力して設計したものが形になったときに感慨深いものがあります.企業の方々との打ち合わせにより柔軟性や自分の意見を伝える力が向上したと感じます.(小笠原 萌)

3 研究室の特徴


 川上研究室では,学生自身が主体性をもって研究することをモットーとしています.自分の頭でよく考え,自分自身で答えを導き出す力を養います.しかし,研究は1人だけで取り組むものではありません.困ったときは,研究室の先輩方が相談に乗ってくれます.また,自ら研究に取り組む姿勢を大切にする川上研究室では,自分のペースで研究できることや,研究テーマを自分で設定できることが良いところです.そして,川上研究室は温厚で研究や趣味などに情熱を持っている人が多いです!メリハリをつけ,研究も趣味も充実し,いきいきしている姿が研究室では窺えます.

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