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流体パワーシステム研究室の紹介

皆さん,こんにちは!私は,流体パワーシステム研究室(川上研究室)に所属する修士1年 池田賢です!この記事では,私が所属する流体パワーシステム研究室について紹介させていただきます.「流体とは何?」「システムとは?」「この二つはどのように関連しているの?」といった疑問や,研究室の雰囲気について気になっている方も多いのではないでしょうか.この記事が,研究室選びや進路選びの参考になれば幸いです.ぜひ,最後までお読みいただければ嬉しいです!よろしくお願いいたします!


1.  研究概要

みなさんは,物質の3態というものをご存知でしょうか?物質の3態とは,「固体」,「液体」,「気体」のことを言います.「流体パワーシステム」という研究室名に含まれている,「流体」は一般的に液体や気体のように自由に形を変えながら流れていくことができるものを指します.私たちの研究室では,「油」「空気」を使用して研究を行っています.

「油」,「空気」は,実際に私たちの生活に役立っています.

空気は,私たちが呼吸するために必要なだけでなく,さまざまな機械やシステムを動かすためにも使われています.工場では,空気圧を利用して機械を動かす「空気圧システム」があります.空気圧システムは,迅速な動作,精密な制御,安全性から多くの分野で利用されています.例えば,工場の生産ラインで使用されるロボットアームは,空気圧システムを利用して精密な動きを行います.または,バスや電車のドア開閉に使用されている空気圧ドアがあります.圧縮空気を利用してスムーズにドアを開閉することができます.

油は車やエンジンや工場の機会を動かすために使われています.また,油圧システムというものもあります.これは,油の圧力を利用して大きな力を発生させる仕組みです.例えば工事現場で使われているショベルカーは,油圧システムを使ってショベルを動かしています.油の圧力によってショベルが協力に動き,重いものを持ち上げたり掘ったりすることができます.

2. 研究紹介

2.1 空気圧ロッドレスシリンダの制御

空気圧ロッドレスシリンダという圧縮した空気を動力源とするアクチュエータを研究対象として研究を行っています.空気圧ロッドレスシリンダのシリンダテーブルというスライド可能なテーブルを,目標とした位置に限りなく誤差が小さくなるよう静止させることを目的に研究を行っています.そのテーブルを制御するためには,制御工学という分野の知識が必要です.

また,シリンダへ空気を送る制御回路を作成するため電気回路の知識,空気を扱うため流体力学の知識も必要とします.実際に機械を使用した検証のみではなく,シミュレーションによる検証も行っています.そのため,私たちは実験装置や電気回路の作成,プログラミングやシミュレーションをなど幅広い分野を学ぶことができることが強みです.試行錯誤繰り返し研究を行うため壁にあたることもありますが,達成できたときの喜びが研究活動の楽しさへとつながります!

2.2 空気圧非接触浮上デバイスの開発

図1のような空気圧を出力として物体を浮上させ,非接触で搬送するためのデバイスの開発を行っています.それぞれの学生がハードウェアの設計を行い、搬送制御やシミュレーションを行うことで、位置制御性能や浮上安定性や搬送速度といった搬送性能の向上を検討しています.ハードウェアからソフトウェアまで幅広い知識を活用するのが大変ですが,その分達成感もあります.

2.3 空気圧マニピュレータの開発・制御

マニュピレータ班では,空気圧マニピュレータによる柔らかい物体の把持を目的とした研究をしています.空気圧マニピュレータとは圧縮空気を利用して人間の腕や指のような動作をするアクチュエータであり,医療や食品産業など繊細な操作が求められる分野での利用が期待されています.しかし,柔らかい物体を適切に把持するためには,力加減や位置制御が非常に難しいという課題があります.従来は1つの関節のみの制御であったため,運用用途が限定されていました.そこで今年度から3つの関節を用いた物体の把持に取り組んでいます.

2.4 油圧ギアポンプの高性能化の検討

油圧ポンプは油圧シリンダのようなアクチュエータに,タンクから安定的に圧油を起こる役割をもっています.このような油圧システムは,図2のような医療用の手術用のベッドにも使用されており,患者の乗った台を上下させる役割を持ちます.油圧は小型ながら非常に大きな出力を生み出すことができます.図2に示したポンプは手のひら程度の大きさですが,300kgを超えるような患者に対して安定して利用できるのが特徴です.本研究室ではこのポンプを用いて試験や流量の制御を行い,システムの性能向上を目指しています. 実際に機器を触り,組み立てながら,時には必要なパーツを自分で設計したり,探して購入したりと試行錯誤を繰り返す日々を過ごしています.

3. 研究室の特徴

流体パワーシステム研究室では,現在学部生11名、修士9名の計名の学生が所属しています.学生自身が主体性をもって研究することをモットーとした研究室です!自分自身でよく考え,答えを導き出す力を養います.しかし,研究は1人だけで取り組むものではありません.困ったときは,研究室の先輩や教授,担当教員が相談に乗ってくれます.それぞれが,異なる研究または分野を学び研究を行っているため,研究室内の交流を通して幅広い知見や知識を得られることは,間違いなし!また,自ら研究に取り組む姿勢を大切にする川上研究室では,自分のペースで研究できることや,研究テーマを自分で設定することができ,詳細を教授と一緒に考えることができるのが特徴です.そして,川上研究室は温厚で研究はもちろん趣味などに情熱を持っている人が多いです!メリハリをつけ,研究も趣味も充実し,いきいきしている姿が研究室では窺えます.

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