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ひぐらし

足長の影法師
さわさわと音を奏でる竹童子
山の稜線駆け下りて
帳の緞子と鬼ごっこ
頃合いに
ひひひひひひと
人の声
鳴き真似虫が
こわがる私をからかって
重ね重ねて唄い出す
大人になって気ぐらいも
あかね色にとけ去って
本懐は
練り合いの
長の住処を捨て去って
ひぐらしが鳴くあの里へ

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