短編小説:Fly Fri フライ
社会人になってから、全く音信の無かった友人と、最近よく行く居酒屋のカウンターで飲んでいた。
野球部の先輩の話や、大学時代に好きだった子が当時四股も掛けていたが、お互い付き合ってなくて良かった等と懐かしい話で盛り上がっていた。
「お待ち」
頼んでいたフライがやっときた。
揚げたてのふわっと香る香ばしい衣の香り、まだかすかにピチピチと音を立てている。
フライに箸をつけようとすると、友人が思い出したように言った。
「そういえば、フライ流行ったよなぁ」
懐かしそうに目を細める、その