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おはなし

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創作した小説や、思いの丈の文章などなど。
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#創作

短編小説:睡蓮たち

おはよう おはよう これが彼と交わす唯一の言葉だ。 幼馴染のサトルは大学生で、私は専門学…

ki ka
3か月前
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掌編:睡蓮は夢の中

コポコポと水から空気が出てくる音が、 耳の奥でしていた。 水槽の中の空気を運ぶ機械のような…

ki ka
4か月前
10

掌編:とどの詰まり

暑くてたまらなくて、今夏初のクーラーを付けたら鼻が瞬間で曲がった。 気づくとものすごい異…

ki ka
10か月前
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掌編: 逢瀬

空気中の湿度が上昇し 僕と世界の境目が 曖昧になって溶けていく 漆黒になりきれない 生温い…

ki ka
11か月前
10

短短編:話の通じない男

今日は朝から何かがおかしかった。 充電は充分にしたはずなのに、電波が悪いわけでも無いのに…

ki ka
1年前
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短短編:浮気

【設問1】 家に帰ったら、付き合っている相手とその浮気相手がおり、ことが済んだ後だと認め…

ki ka
1年前
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短編小説:Fly Fri フライ

社会人になってから、全く音信の無かった友人と、最近よく行く居酒屋のカウンターで飲んでいた。 野球部の先輩の話や、大学時代に好きだった子が当時四股も掛けていたが、お互い付き合ってなくて良かった等と懐かしい話で盛り上がっていた。 「お待ち」 頼んでいたフライがやっときた。 揚げたてのふわっと香る香ばしい衣の香り、まだかすかにピチピチと音を立てている。 フライに箸をつけようとすると、友人が思い出したように言った。 「そういえば、フライ流行ったよなぁ」 懐かしそうに目を細める、その