見出し画像

サブカルチャーという単語の便利さと、故に起こる誤認への警告

はじめに

先に述べておくと、この記事は完全に個人のお気持ち(笑)で書いているので、中野ブロードウェイとまんだらけが好きな人間が読むと頭にくると思うので、Spank!という単語にピンと来たら自衛してください。自衛もヲタクの嗜みです。

あと、読み返してて気がついたけど誤解を避けるためにあまりにもカッコが多いので気をつけてくれ。正直すまんかった。

元々、昭和のファンシー文化に興味があり、ファンシー雑貨店や可愛い服屋に行くことが好きだった。
そこで目をつけたのが、「KERA!」という雑誌に載っていたブランドたち。
その中でも「Spank!」は特に興味をそそるものでした。
昭和のファンシー文化に興味があり、元々魔法少女好きだった、「当時未成年」の私は、2017年に初めて中野ブロードウェイという地に向かったのでした。

そう、中野ブロードウェイのSpank!である

ここで気がついた方もいると思うのですが、そう、「中野ブロードウェイ四階」でただいま休業を余儀なくされているあの店です。

ここで何があったか端的に説明すると、「Spank!」の前に、有名コレクター向けショップ「まんだらけ」が、アダルトビデオを取り扱う専門店「まんだらけ 禁書房」(紛らわしいので以下、禁書房)を2021年にオープンしたんですが、まあそれが物議を醸してるというのは聞いた人もいるんではないでしょうか?
(荒れそうなんで興味があるなら各自調べてください。リンク貼りません。)

2017年当時の体験について

2017年にまあ初めて行ったわけなんですが、正直その当時は「確かにアダルトショップもあるけど、四階にはないしアダルトショップにはわざわざ行かないしなぁ」くらいの感想で。
むしろ、「まんだらけ なんや」(禁書房ができる以前に同じ位置にあった店舗で、2017年オープンだと聞いたけどさすがに時期の詳細は知らない。)も特に記憶に残らないくらいの普通な店舗だったと記憶しています。
どうやら映画グッズや特撮もの、サンリオなど扱っていて、名前の通り雑多だったっぽく、自分的にもさすがに表からR-18を感じるものではなかったと記憶しています。
他の階も見物がてら回りましたが、「まあ確かに怪しいところもあるな」ぐらい。
初見でテクノブレイクの壁を見た時はちょっと「これマジ?本物なん?ちょっと…」と引きましたが…。仮にも私、女子高生なんで、当時…
四階に関しては、むしろ「まんだらけ ぷらすちっく」(魔女っ子おもちゃ、セボンスターなどが並ぶ)や、「ファンシーショップ でことらんど」があったためむしろ全年齢対象、健全くらいの気持ちで見ていました。
もちろん、未成年がそのまま入れます。だって、18禁なんて一言も書いてないし…
あと、ゲームセンターもあるにはあったみたいなのですが、個人的にはTwitterで見たような魔窟ゲーセンとは思わなかったです…(そもそも平日だったせいか、人がいたのかすらあまり…)
ちなみにその頃は特に何も考えていないので、ぷらすちっくでもSpank!でも普通に買い物して帰りました。(ちなみにナポリタンは売り切れで喰いそびれた。あれいつ売ってるんです?)

サブカルチャーという言葉

でまあ、話をタイトルに戻すんですが、例の炎上で色んな人がまあ色んなことを言っててですね。
それは全然いいと思うし、むしろ議論する人がいるだけまだ健全な気がするのですが、引っかかったことがあって。

それがまあ、「サブカルチャー」って単語なんですけど。

一部の人にはこれの使い方がちょっと間違ってる、とまではいかなくても違和感のある人が多くて。

まあだいたい(個人的には)、「サブカルチャーの聖地である中野ブロードウェイを守れ!」とか「サブカルをなんだと思ってるんだ!カオスこそ正義!」みたいな使い方をされている気がするんですよね。
さすがに異論は認めるけど…(全部の人がこう言ってるとは限らないので)

なんだけどまあ、サブカルチャーってそもそも

ある文化の、支配的・中心的文化ではなく、一部の人々を担い手にする文化。都市文化・地方文化・若者文化などの類。

とのことなんですよね。

となるとですよ?まあもちろんHENTAI文化も等しく受け入れられるべきって論調はよく理解できるんですが、「中野ブロードウェイというサブカルの聖地にファンシーショップは相応しくない!高円寺に帰れ!」は間違いだと思うんですよね。
なんかその、「アニメ漫画特撮」や「エログロナンセンス」だけがサブカルでは決してなくて。
例えば音楽やファッションなんかも立派なサブカルなんですよ。
Wikipedia見たらわかるんですが、項目の中にちやんと「音楽・ファッション」も入ってるし。

そこを考えると、確かに「中野ブロードウェイ」は「サブカルの聖地」でいいとは思うし、今までのまんだらけのラインナップに加えて「禁書房」のような店舗ができることも(少なくとも個人的には)理解できるんですよね。

ただ、そこを「サブカルの聖地」というのであれば、等しく「ファンシー文化」も扱うべきだと思うんですよ。
だから、個人的には「サブカルの聖地からファンシーを追い出せ!」的な論調をするならそれは間違いだし、正直Spank!の本音の主張が「中野ブロードウェイから禁書房含むアダルトショップを消せ!」ということであればそれはさすがに私も擁護できないです。
「中野ブロードウェイという名のカオス」を重んじるのであれば、「カオスを守るための一定の配慮」(まあいわゆる禁書房側の通路に面したところの展示隠し)をすることは肯定するべきではないかと思うんですよね。

でまあ、ここの節でいちばん主張したいのは「言葉を間違って使うとつつかれるからなんか言うなら調べた方がいい」が1番言いたいことなんですよね…。
議論したいならまだしも、意見したいのならば、の話ではありますが…。
しかも、もしかしたら私も間違ってるかもしれないですし…。
そのへんは、お互い「そこは違うんではないの?」と訂正して、理解出来る脳を持っておきたいよねとしか言えないですが。

というか今回の件、発端になったメモ書きも含めて、「説明足らず」「言葉足らず」が目立つ気がしてですね…。(モニョモニョ)
サブカルチャーとかゾーニングとか(特に横文字)はなんかこう…間違いやすい気がして…。(自戒)
特にサブカルチャーの誤用というか、「サブカルチャー=エログロナンセンス」みたいなのがあまりにもいたのでびっくりしたというお気持ち(笑)です。

ワイのこの件に対しての主張(長いしほぼお気持ち(笑)なので流し読み推奨)

・言葉には気をつけよう(言葉遣いもそうだけど、誤用は御用!ここ笑いどころよ。)
・禁書房はディスプレイを隠すくらいはさすがにした方がいい。お互い困るのもそうだけど、でかい問題になって法規制とかされて困るのは禁書房(及び利用者、カルチャー愛好家)な気がする。
・まあ位置が位置なのでアダルトショップが建ってもしょうがないという意見もわからなくはない、しかしまあ、まんだらけの地上げだと邪推されるのもちょっと仕方ない気がする(これについて必要そうならまた書きたいと思う。個人的に思うところはあるので)
・正直、中野ブロードウェイは好きだったけど中野ブロードウェイについて誤解してる人が多すぎることと、ファンシーショップが(古着屋だがSpank!含めて)休業や閉店を発表している今行くかと言われたら微妙。
・そもそも中野ブロードウェイってまんだらけの建物じゃなくて、それぞれ権利がある商店街兼マンションなので、住んでる人が並びを見てどう思うのか気になる
・色々現地の写真など見たけど、ゾーニングどうこうとかいうより通路に面したところにディスプレイされてる本に「大阪万博」やら「新日本プロレス」のロゴみたいなのがある方が権利的に問題なのでは?とあくまで私は疑問に思っている。個人的に特に大阪万博のファンなのでちょっとそれはあかんやろと思っている。
・ただ、禁書房に置いてあるビデオや本は歴史的な価値がないとは言えないし、それを大切にしたい人やコレクターがいるのも理解できる(確か「グロテスク」が置いてあって、なるほどなとは思った。HEAVENとかもあるのだろうか。見せていいかといえばあんまりよくない気もするが)
・「私個人としては」ディスプレイが隠れているなら禁書房はアリ。だけど、まあ一定数嫌がる人はいると思う。子連れも多い店舗なのは本当だし、ファンシー文化を好む人は性的なものを嫌悪する潔癖な傾向はあるし。(もちろん、上に記した通り、かつての自分もそうである。今は自販機本カルチャーというものが音楽文化的に気になるくらいで、性的なものは苦手だし性欲もない、割と潔癖だと勝手に思っている(爆)。)
・性的な職業差別とは話が違うし、むしろ今回に関しては「子育てをしながら働いている」Spank!店員さんのほうが差別されてるようにすらちょっと思ってしまう。言いたいことはまあわかるけど個人として共感できるのはむしろSpank!店員さん側なので…。(これは自分の生まれ育った環境が近かったため。)
・ファンシーだってサブカルチャーの立派な一つということを見落としてはいけない。もちろん、HENTAI文化(BANとかされたら嫌なのであえてこの表現にする。許して)も立派なサブカルチャーではある。隠すかどうかとは別の話だけど。
・Spank!の客が禁書房を気にしてると言うより、店員さん(と、一部の常連さん)が子供を連れてくるから気にしてるんだろうな、と私はあの文章から勝手に解釈している。
・どうやらSpank!って店名が気になるみたいだけど、尻たたき以外にも「おはよう!スパンク」という少女漫画があって、ファンシーかつ超メジャーなのはどう思うのだろう…おばちゃん世代の認知度はかなり高い作品。アニメ化もされてるよ。
・さすがに「中野ブロードウェイ及び中野ブロードウェイ四階は18禁の魔窟」みたいな論調は肯定できない。サブカル関係なく上に住んでる人に失礼。昔は著名人も住むおハイソマンションだったんだよ…

さいごに

1つ確実に言えることは、「自重の出来なくなったものからオワコンになっていく」のは割とヲタクとかファッション関係なくどの界隈でもあるあるな気がするので、早かれ遅かれ禁書房は「あのままのディスプレイ」だとまずいことになるとは思うし、建物が老朽化してるからなんにせよそのうちサブカルの城こと中野ブロードウェイは取り壊されるだろうということ。

まあ私は過激派の自覚があるので、サブカルチャーという言葉一つででこんな争いが起きるくらいなら、中野ブロードウェイなんてダイナマイトでぶっ壊しちまえくらいに思ってしまう(もちろん本当にはしませんから、犯行声明だと思わないでね。)

Spank!の店員さんはものすごく大変な作業になると思うけど、個人的にはもっとSpank!が輝ける場所あるんじゃない?とも思うので、いわゆる「サブカルチャーの聖地」を支持する層の考えが露呈した以上、できればもっとファンシー文化が「ながもち」して「愛される」ところに移転して欲しいとは思う。もちろん店員さんのできる範囲で、無理せず。(クラファン等の支援は個人でできる範囲になるが、クラファンをやるのであれば支援するつもり。この記事に投げ銭つけられるのかは知らないが、つけられるのであれば全額寄付するか、Spank!のネットショップに全て使いたいと考えている。これからほかの記事も書くので、それも同様に。)

ペンは剣よりも強しを知っているので、定期的に考えて「サブカルチャー」の中の特に「ファンシー文化」や「カワイイ文化」、「Aesthetic」について発信するつもり。

「サブカルチャーの聖地」を自称する中野ブロードウェイには、もっとそれぞれの文化に対して理解を示し重んじる行動をして欲しかったけど、まあ無理なんだろうなあ。
住みたいくらい好きだったものがまあ、ドン引き対象になったのはけっこうショックです。

その聖地とやらは本当に「サブカルチャー」の生態を理解しているのか、禁書房支持過激派の大好きな「混沌」になった今となっては、私にはもうわからない。おわり!強制閉店!!

Spank!のネットショップのリンク。
どういう結末であれ、禁書房に異を唱えたことは「人の親としては」真っ当であると、私は思う。

サポート頂いた分は、手数料を除き現在「Spank!」のネットショップに全額使う予定です。