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#004 お前はまだリカを知らないのか( SIX LOUNGE / リカ )

やっほ。キイテミです。
「これ、聴いてみ?」のノリでおすすめの曲を紹介します。

きょう紹介するのは、大分県在住のロックバンド、シックス・ラウンジの『リカ』です。

『リカ』はもともと2016年にリリースされた楽曲です。2023年にYouTubeでスタジオセッションを収録した動画が配信されると、そのキャッチーなメロディと狂気的な愛をうたったリリックが話題となりました。

こちらはその話題となった動画です。



何がすごいの?

この曲のすごさを独断と偏見で解説していきます。

スタジオセッションのよさ

いきなり個人的な話なんですが、スタジオセッションって最高じゃないですか?

音源より自由な表現ができて、お客さんの声が入らないのでライブ収録より音質がいいという、完全にいいとこどりだと個人的には思っています。

今回の『リカ』もまさにそれです。

もともと音源を知っているひとはもちろん、知らなかったひともグッとシックス・ラウンジの世界に引きこまれます。

卓越したボーカル

スタジオセッションのよくないところがあるとすれば、ボーカルの力量が浮き彫りになるところかもしれません。

シックス・ラウンジのボーカル、ヤマグチユウモリの伸びやかな歌声はその不安を一瞬で取り除いてくれます。

さらに、スタジオセッションらしく、少しアレンジも入るのですがそのアレンジにまったく嫌味がないんです。すごい才能。
これもう聴いてほしい。

ジャジーなビート

このスタジオセッションで特徴的なのが、ベースを担当するイワオリクが奏でているのがコントラバスだというところでしょうか。

このズシンと響く低音がめちゃくちゃかっこいい。

さらにドラムのナガマツシンタロウの演奏で、一気にジャジーな世界へと観客をいざないます。

動画の1分30秒頃から、このコントラバスとドラムだけのビートになります。その瞬間に、オシャレな喫茶店でレコードから聴こえてくるジャズの雰囲気になります。ここがたまらなくいいのでぜひ聴いてほしい。

リリックの世界観

女性の名前を呼びかける楽曲は、70年代や80年代を中心にこれまで何作か発表されてきました。代表的なものでいえば、サザンオールスターズの『いとしのエリー』とか、同じ時期の長渕剛の『順子』とかでしょうか。

この時代の楽曲には、「貧しさもすべてひっくるめていつか幸せになろう」という、未来への淡い期待が根底にあるものが多いです。

一方、この『リカ』もその時代を彷彿とさせるレトロさみたいなものは共通して持っているのですが、リリックはかなり現代を反映したものになっています。

とりわけこの部分。

リカ、君だけは幸せにさせないよ
一緒に地獄をみよう

『リカ』

現代に生きる人たちがもつ「未来への期待できなさ」みたいなものが、ここに濃縮されている気がします。

そして、なんとなくこの感覚ってだれもが少しは持っているような気がするのです。口には出さないけれど。

どうせ不幸になるなら、きみと一緒に。

この心の奥にあるドス黒い感情を、これほどまでに軽やかに歌い上げたこの楽曲は、注目されるべくして注目されたのだと思います。

まとめ

このスタジオセッションはかなりジャズよりのアレンジがされていたのですが、シックスラウンジの他の楽曲は、がっつりロックバンドをしていることが多いので、そちらにも注目です。

よかったら、キイテミ。
それじゃ、また。


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