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ふふふ

お気に入りの喫茶店でお気に入りの席に着いて、もう2度と戻ることのない時間に思いを馳せるのが好き、そこにコーヒーが届いてタバコの煙が漂う。周囲の音はあればあるほど良い。意識を集中させるにはそれくらいの脇役がいないといけない。赤褐色の阪急電車が通る。いつ来ても成長しているのか、していないのか、よく分からない観葉植物が小さく揺れる。マスターと奥さんの痴話喧嘩が始まる。これもすべて、いつも通り。ひとつだけ違ったとしたら、置き手紙をしたこと。何度も通い、息をしても疲れない空間だと思えば残すようにしている。なかなか粋でしょう。ふふふ、そんなの知っています。ではまた。

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