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最終面接をすっぽかす女子アナ候補。
北海道のローカルテレビを見ていると、綺麗な女子アナががんばって笑顔をふりまいている。彼女たちはいつも「北海道のみなさーん!」と言っていて、その表情は美しい作り笑顔だ。とても好感が持てる。
ある女子アナをテレビで初めて見たときに「お、この人はだれだろう」と私は必ず検索する。ローカル局のアナウンサーがどこの出身なのかをたしかめるためだ。
テレビの向こうの彼女たちは北海道LOVE、さもありなんみたいな顔をしているのだけど、その愛が天然物なのか養殖物なのかをたしかめたくなるわけである。調べてみるとほとんどのローカル女子アナは関東出身であることが多い。
養殖物の愛だったかぁ。
とは思わないけど、心のどこかでは北海道で活躍するなら北海道出身者であってほしい、と思ってしまう自分がいる。うーん、ムラ社会の精神が私にもこびりついているみたいだ。
そういえば昔付き合っていた恋人は女子アナになりたがっていた。ローカルテレビ局の女子アナに。
彼女はテレビ局のアナウンススクールに通い、アナウンサーとしての基本を身につけたのだが、肝心の面接日に面接を受けなかった。最終面接当日になぜか海外旅行にいっており、面接をすっぽかしたのである。未来よりも今を楽しむ人だった。
最終面接をすっぽかした彼女に対して、テレビ局の人は「なぜ面接に来なかったんだ!」と怒ったそうだが、元カノは「そう言われてもさ、あたしはゾウに乗りたかったんだもん仕方ないよね」と言っていた。ゾウに乗る機会はそうないから私も仕方ないと思う。
もちろん彼女が採用されることはなく、その代わり、通っていたスクールの同期の女の子が採用になり、いまではその子が北海道のある局の看板女子アナになっている。
そういえば私の実家のとなりに住んでいた女の子は女子アナになった。北海道でもなく東京でもなく四国のある県のローカル女子アナ。
彼女が転校するまで小学校1年生から3年生の約3年間いっしょに学校に通った。離ればなれになっても細い糸のような交流はつづき、彼女は学生にして北海道ローカル局のアナウンサーになり歌を出したりもした。
大学を卒業したあと、彼女は北海道の外に出た。
その後、母から「あの子は四国でアナウンサーになったよ」と聞いて、おお、と感動した。小さなころからとても努力家であることを知っていたし、北海道での活動も家族みんなでチラチラとCDを買って応援していたから。
そんな彼女の小さなころの口癖は「なんとかなる」だった。明るく元気な人だった。
夢を持ってるっていいなって思ってた。みんな天然物の愛を持っているんだろうと思う。
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〈あとがき〉
特に朝早くからの番組に出ているは人たちは尊敬しています。すべてを捨てているわけではないと思うのですが、仕事に全振りしているというわけですのでリスペクトです。北海道のローカルアナたちは私が言うまでもなくマジでみんな頑張ってると思います。今日も最後までありがとうございました。
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