5. 唯一無二!スタビレーのトルクレンチ
第6回のnoteも見ていただきありがとうございます!
前回のnoteではトルクレンチの管理についてをメインに書きましたが、今回はようやく“スタビレーのトルクレンチ”についてまとめようと思います。(お待たせしました~!)
トルクレンチの購入を検討されたことのある方、工具に興味がある方にとってはスタビレーのトルクレンチと言えば「憧れの!」「高い!」というイメージがあるのではと思いますが、なぜスタビレーのトルクレンチは魅力的なのか(そして高額なのか)、存分にお伝えできればと思いますので是非ご覧ください!
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ドイツの歴史ある総合工具メーカーSTAHLWILLE(スタビレー)
まず、そんな憧れの工具としても名前の挙がる“STAHLWILLE(スタビレー)”について、簡単にご紹介させていただきます。
スタビレーはドイツ(ヴッパタール)にある総合工具メーカーです。
STAHLWILLE(スタビレー)という名前は、ドイツ語で「鋼」を表す「STAHL」と創設者の名前「WILLE」を組み合わせて「STAHLWILLE」となりました。
1862年創業の150年以上伝統があるメーカーで、ロゴからもわかるようにスパナ類のクオリティに絶対の自信を持っています。
また、スパナ、ソケット、トルクレンチなどのメイン商材は鍛造から塗装まで、一貫してドイツ国内の工場で製造されています。
少しざらついていて手にしっとりと馴染む、所謂“梨地(なしじ)”仕上げの工具が特徴です。
とはいえ、スタビレーの工具について語り出すとここには収まりきらないので今回は割愛します。
あくまでも今回のメインはスタビレーのトルクレンチ!です。
他のハンドツールの特徴はこちらのモーメントにまとめています!
スタビレーの“板バネ式”トルクレンチ
スタビレーはヨーロッパで初めてトルクレンチを製造した工具メーカーです。
また、内部のバネの伸び縮みでトルクを調節する“コイルバネ式トルクレンチ”が一般的なのに対し、スタビレーは上の写真の通り“板バネ式”を採用しています。
板バネを使ったスタビレーのトルクレンチは、他にはない大きな特徴を持っているので順番にご紹介します!
板バネ式トルクレンチの内部構造については、メーカーから分かりやすい動画が出ていますのでこちらをご覧ください ↓
特徴その1 トルク設定が簡単にできる!
通常はグリップエンドを回転させ、内部のコイルバネを締め込んでいくことでトルクを調節します。
そのため、締め込んでいけばいくほど重く(硬く)なり回しにくくなるのですが、スタビレーは赤丸で囲んだパーツが左右に動き板バネの“たわみ”を調節するだけなので、大きなトルク値でも軽い力で無理なく設定できます。
さらに「QUICKシリーズ」ではエンド部のロックレバ―を押し下げ、ウィンドウのトルク目盛りをスライドさせるだけでトルクを調節できるので、より素早くトルク値の設定が可能です。
(グッと押してサッとスライドさせるだけ!)
特徴その2 使用後に最低トルクにリセット不要!
コイルバネ式のトルクレンチはバネに負荷が掛かり続けることになるため、使用後に最低トルクにリセットする必要があります。(バネがへたらないようにとも、バネが元の長さ戻るまでに時間がかかるからとも言われています)
これを面倒に感じる方は多いのではないでしょうか。
しかし、スタビレーの板バネ式トルクレンチはトルクを掛けている時のみ負荷がかかるので、使用後に最低トルクにリセットする必要がありません。
同じトルク値で翌日に使いたい場合も、そのまま直して翌日すぐに使用できます。
スタビレーと他社メーカー品との比較
一般的なトルクレンチでトルクを調整し、締め付けを行い、トルクをリセットするまでの一連の流れを単純計算すると44.00秒でした。
それに対し、素早くトルク調節ができ使用後のリセットが不要なスタビレーのトルクレンチは作業終了までたったの16.22秒!
作業効率の良さがしっかりと伝わるかと思います。
(この比較動画はこちらからご覧いただけます ↓)
特徴その3 ヘッドを付け替えることができる!
スタビレーのトルクレンチはヘッドを取り替えできるものもあります。
通常ヘッドにソケットを取り付けるとどうしても幅を取ってしまうので、スペースに余裕が無い狭い場所などには直接メガネやスパナヘッドを取り付けて作業が可能です。
トルクレンチは基本的には一方向のみの締め付けですが、裏表逆に取り付ければ逆ねじにも対応できます。
特徴その4 小さいトルク値でもしっかりとシグナルが出る!
スタビレーのトルクレンチは「カキンッ!」というようなはっきりした音と確かな感触が特徴です。(騒音の中でもシグナルがちゃんと分かります)
コイルバネ式のトルクレンチだと、トルク調整範囲の小さい値はシグナルが分かりにくく、抜けてしまうように感じたことのある方も多いのではないでしょうか。そんな方に是非使っていただきたいトルクレンチです!
トルク値が小さい締め付けほど、スタビレーのトルクレンチの良さを実感していただけると思います!
(例:40-200Nmを設定できるプリセット型トルクレンチでは、40Nmや50Nmなどの小さい値だとバネにかかるテンションが小さいため、シグナルが弱くなることがあります)
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いかがでしたでしょうか!
他には無い、唯一無二のスタビレーのトルクレンチ。
作業性が良く、長く使えて、さらにかっこいい。
多くの魅力が詰まったアイテムではないかなと思います。
部品段階で50,000回のテストを行うなど、開発、素材、製造工程全てに拘っており、確かにお値段はしますが、是非1度は手に取っていただきたい逸品です!
次回はスタビレーの「クリック感のあるデジタルトルクレンチ」や「単能型プリセット型併用トルクレンチ」などを取り上げる予定ですのでお楽しみに!