【詩】いろは練習帖

※谷川俊太郎『いろは練習』のオマージュ

い　石の上にも一生

ろ　老獪ろうかいに籠絡ろうらく

は　はぐれて花盛り

に　にんげん社会は虹色に

ほ　微笑ほほえみにほだされる

へ　平和を偏愛する

と　突然トラバサミ

ち　地球人は沈黙しない

り　悋気凛々りんきりんりん

ぬ　ぬくぬく温泉ヌートリア

る　流刑者るけいしゃルシファー

を　大蛇をろちと踊り子

わ　渡る世間はワシばかり

か　神はいない核戦争後の世界

よ　よんどころなくよこしま

た　正しさばかりがたんとある

れ　レッツ・ゴー煉獄れんごく

そ　壮麗ソメイヨシノ

つ　つぶやきの罪人つみびと

ね　寝る子は猫になる

な　鳴かぬなら鳴くまで待とうナイチンゲール

ら　乱心爛漫らんしんらんまん

む　無駄夢中むだむちゅう

う　裏声で怨み節

ゐ　ウイスキーヰスキーは田舎ゐなか生まれの酒

の　のるかそるかノルアドレナリン

お　おっかないオモニ

く　喰いだおれる空海

や　ヤキモチも休み休み焼け

ま　瞬またたく間の幕切れ

け　憲法で喧々囂々けんけんごうごう

ふ　不しあわせを振りはらう

こ　恋するこいさん

え　「A, B, C...」「H!」

て　天使てんてこ舞い

あ　悪漢あっけらかん

さ　淋しさ最北端

き　鬼神奇天烈きしんきてれつ

ゆ　有史前ゆうしぜんの夢

め　メガ盛り召しませ

み　ミステリの女王宮部みゆき

し　知ったかぶって尻隠さず

ゑ　笑顔ゑがおで艶福ゑんぷく

ひ　昼下がりの肘鉄ひじてつ

も　モグラ叩きがもどかしい

せ　戦争の千年紀

す　過ぎたるはスギ花粉のごとし

京　京むすめの嬌声きょうせい