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オンライン備忘録〜欅坂46 THE LAST LIVE 2日目〜

これほどすっきりと欅坂46への別れと櫻坂46との出会いを受け入れることができるとは思っていなかった。それは何故か、はっきりとわかる。

1.危なっかしい計画
この曲で今日のライブの空気が作られた。昨日とは違い、今日は最高にはっちゃけるんだ。暴れ回るんだ。そういう決意表明が見られたと思う。彼女たちは代々木第一体育館の支配者で、ここで魂を燃やすのである。

2. 手を繋いで帰ろうか
無観客配信ならではの、会場をちょっとだけ飛び出した菅井さんと守屋さんのラブストーリー。そっぽを向く守屋さんをしつこいほど菅井さんは追いかける。そこに必死さは確かにあるんだけれども2人の空気感からか、どこかポップでもある。その様子を微笑みながら踊って見守るメンバーたち。きっと結末がわかっていないのは2人だけだったはずだ。2人がラブラブなのは見ていればわかるじゃないか。

3. 二人セゾン
全人類よ見たか。これが小池美波だ。曲に合わせて優雅に舞うがただ舞っているだけではない。たとえもう片方に誰もいなくても舞い、飛ぶことができるのだ。曲を支配することができるのだ。春夏秋冬と季節は移ろいゆくように、欅の葉も散っていく。だが角を曲がると、そこには綺麗な桜の花が咲き誇るのだ。季節の移ろいは儚いと同時に力強いのだ。

4. 太陽は見上げる人を選ばない
今いる27人だけが欅坂であったわけではない。卒業したメンバーもいれば、「けやき坂」として活動していたメンバーもいる。今はもう一緒にパフォーマンスすることはないけれど、欅坂の歩みは彼女たち全員の歩みなのである。今はお互いのその場所を認め合い、向き合って立っていよう。

5. 制服と太陽
原田さんの歩みと重ねられたこの曲。「活動休止」というのは大きな選択だ。この選択をするには勇気が必要だし、批判を浴びる可能性もある。でもその選択は全く間違っていなかった。それは彼女自身が「心の光感じるまま」に選んだからである。これからもそうやって生きていって欲しいな。

6. 世界には愛しかない
守屋さんの輝きがとにかくすごい。魔法がかかったかのような彼女の美しさは雨上がりの虹とよく似合う。これまで色々なことがあったしこれからも色々あるだろう。でも大丈夫。世界には愛しかないのだから。どんなことがあっても守屋さんが澄み切った笑顔で抱きしめてくれるはずだ。予測できない未来だって嫌いじゃない。何も怖いものは無い。

7. コンセントレーション
最初にこの曲を聞いたとき、ダンスはどのようになるのか想像ができなかった。でも見てみると納得。5人全員それぞれの強みを活かした華麗とも激しいとも繊細とも言えるダンス。心からそれを楽しんでいるように見えた。強いて言うなら、石森さんも入れたパフォーマンスも見てみたかったものだ。

8. Deadline
この曲は欅坂のあり方そのものだ。有限である命の貴重な一瞬を燃やしながら表現をしていく。燃えたぎる炎のようなパフォーマンスであった。いつまでも歩みを止めず、キャラバンはひたすらに突き進んでいくのだ。

9. 10月のプールに飛び込んだ
2期生は加入してから長い間、自分たちの声が入った音源で踊ることはなかった。そんな状況下でも素晴らしいパフォーマンスを見せていたのだから、自分たちの声が入っていればなおさら素晴らしいパフォーマンスになる。学校(ステージ)という狭い敷地内を思う存分暴れ回る。自分たちが思うように暴れているのだから周りに笑われたっていい。10月のプールに飛び込むだなんて狂気の沙汰だ。誰に何と思われたっていい。そして見なさい、彼女たちの清々しい表情を。若さとは自由だ。

10. 砂塵
「適材適所」という言葉があるが、菅井さんが一番輝けるのはこの曲なのかもしれない。ただ若いだけではない、少し大人になったからこそわかることもある。その1つは駆け引きのタイミングだ。何度も何度も「今でいいのか?」と確かめ、「ここだ!」と決めればもう迷うことはない。菅井さんの生き様が現れているように思えた。

11. 風に吹かれても
欅坂は最強のエンターテインメント集団だ。パフォーマンスを完成させるには尽きることない努力が必要だ。その大変さは我々の想像をゆうに上回るものであるだろう。だが、ステージに立つと彼女たちは本当に楽しそうにパフォーマンスをする。ドキュメンタリー映画を観るとわかるが、とてもじゃないが楽しい事ばかりではない。しかしどんな状況下でも、楽しみながら表現することができる。これが欅坂の最も大きな強みの一つだ。彼女たちはこれからも、たとえ風に吹かれても楽しむことを忘れないでいて欲しい。

12. アンビバレント
最終日にしてアンビバレント観が大きく変わった。この曲はアンビバレントを抱える人の辛さを描いた曲なのだと思っていた。もちろんそういう側面もあるが、今回のパフォーマンスは明らかに今までのそれとは違っていた。今回の主人公は集団の端っこにいる、ちょっと冴えない人だ。日常生活に生き辛さを感じずにはいられない。でも大丈夫。自分の普段の鬱憤は欅坂のみんなが暴れ回って発散してくれるから。狂ったように踊り、ライトを光らせ、自分の世界の中心は自分だと改めて気付かさせてくれる。だからもう大丈夫。なんだか昔の自分と重ね合わせてしまった。

13. ガラスを割れ!
アイドルには「アンチ」「世間様の声」「抑圧」などが重くのしかかる。だからどうしても、ガラスの中に囲まれているような感覚になってしまうのではないだろうか。だが、欅坂はそんなガラスはぶち割ってしまう。彼女たちと敵対するようなパフォーマーの登場はその「ガラス」の権化だろう。アンチ上等。指を指されたって構わない。どんなガラスが彼女たちを囲もうとそんなのは意味がない。なぜなら全てをぶち割ってしまうから。これこそが欅坂である。

14. 誰がその鐘を鳴らすのか?
リリースのタイミングは前後したが、実質この曲が欅坂最後の曲だろう。この曲は終わりであり、始まりである。「欅坂流」の全身全霊のパフォーマンスでそれぞれの思いを踊りに託す。その踊りがやがて大きな波動を産み、世界中のどこかしらにある巨大な鐘を鳴らすに至るのではないだろうか。始まりの鐘だ。欅坂改め櫻坂は必ずやその鐘を鳴らしてみせるだろう。というかもう鳴っている。このパフォーマンスで完全に鳴らした。

15. サイレントマジョリティー
欅坂を代表する曲であることは言うまでもない。国民の99.9%はこの曲を知っているのではないだろうか。だから最後はこの曲を全てを懸けて踊り、しっかりと欅坂を「供養」するのである。いつも通りのパフォーマンスでは供養しきれないことはメンバー全員理解していただろう。彼女たちはいつも以上、いや、まさに彼女たちの総てを懸けてパフォーマンスしてくれた。これでしっかりと供養することができた。ということは、我々の心の中に欅坂があり続けることが可能になったのだ。我々の心に中に欅坂は永遠にあり続ける。

16. エンドロール
メンバー全員の深々としたお辞儀の上をひたすら流れる人の名前。恐らく今まで欅坂に関わった全スタッフの名前が記されたことだろう。どこまで記されていたかわからないが、あの人数だと「メイクの人数が足りないから応援で入った」だとか「撮影のカメアシに一度だけ入った」レベルの人でも記されていたのではないだろうか。もちろん既に卒業したメンバーやけやき坂として活動していたメンバーの名も。そして最後に「and You!」と。メンバーはずっとお辞儀していたが、お礼を言いたいのはこちらの方である。どれだけ欅坂に救われてきたことだろうか。楽しませてもらったことだろうか。本当にありがとう。

1. Nobody's fault
ライブはもう終わりだと思っていた。今回は欅坂のラストライブであるから櫻坂の曲は披露されないだろうと思っていた。だが蓋を開けてみるとなんだこのパフォーマンスは。めちゃくちゃ良いではないか。今までの欅イズムを継承しながらも、言葉にし難い新しい「何か」がある。新グループとの出会いは思いもよらないほどすんなり受け入れることができた。たった4分ほどのパフォーマンスで私たちの頭は完全に「櫻坂」に切り替わった。

こうして欅坂に完全にけじめをつけ、櫻坂と最高の出会いをすることができた。本当にありがとう。
生まれ変わった彼女たちはこれからどんな世界を見せてくれることだろう。楽しみでしょうがない。

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