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終活と就活。

職探しを熱心にしていた頃、
ハローワークで職業訓練を受けたことがある。

選んだのは、
「宅地建物取引士講座」である。
講師は、宅建士の資格を持つ若い男性と
社会保険労務士の年配男性のふたりであった。

年配の社労士の男性の方が、このコースを
仕切っているらしく、

「自己紹介を兼ねて趣味もね、
お一人づつ教えて下さい」というので、

私は、、、
趣味は、部屋の模様替え、あと押入れの
掃除と片付けです、、、、と言ったら、、、

社労士のおじさんに、
「ふんっ。押入れの掃除って、、そんなこと」と
軽蔑と不機嫌が入り混じった顔をされた。

えっ?
趣味って人それぞれじゃないの?
読書とか映画鑑賞とか言えば正解なのか。


私は、部屋を綺麗に清潔に保つことと、
日頃、目に触れない箇所もキチンと整理整頓、
収納することに力を注いでいる。
それを趣味と呼んではいけない?

だから、特に高齢になったからという理由で
いきなり断捨離する必要もないと考えてた。

だが、今や採用してくれる会社も皆無。
終活を本格的にやってみるか、、と思いたった。

話は、宅建資格コースに戻るが、
その講義の中で、
アメリカで生まれたというMonopoly、
日本版「人生ゲーム モノポリー」を、
何回もやらされた。
双六のやり方で、
不動産取引をしながら、自分の資産を増やし
最終的には
相手を破産に追い込むボードゲームである。

「まあ、まあ、たかがゲームだからね」と
ニヤニヤしながら宅建士の男性に言われたが、
頭の良さや運が伴う。

たかがゲーム、されどゲーム。
しっかりやります、最後まで、、と
ムキになってやった割には、めちゃ下手だった。


さて、
自分が関係する書類や証券や個人資産(笑)を
書き出してみた。
改めて、あの時のモノポリーゲームと同じく、
リアル私の人生ゲームも下手だったわ、、、と
思ってしまった。

全然ダメだわ。これだけかい。

エンディングノートも書きかけて、
なんと、3ページ目で心が折れた。

私がいなくなって、
書きかけ3ページを見た家族に、笑われそうだ。

でも、部屋も押入れもクローゼットも綺麗よ。

社労士のおじさんには、
押入れなんかどうでも良い、、と言われたが、
それより、
モノポリーゲームはどうでも良いから
1万円もかけた宅建資格の本の
講義をして欲しかったわ。

もとい。終活の話。
自分の終末に向かって、その思いを家族に伝えることは、とても大事なことである。
でも、楽しくない。

つまらないけど、関係するwebsiteとアプリの
大量のIDやPWDの打ち込みを完了した。

ハァ〜

職務経歴書をPCに打ち込んでいるのは楽しい。
未来と希望がある。
その作業が出来るうちが、華だわね、、、と
パソコンを前に呟いた。 


ところで、その宅建資格コースだが、
途中で挫折してしまった。
あまりにも、ゲームだの、雑談だの、
あげくに、講義を受けているメンバーで
食事会やら、飲み会やらの計画をしだして、
イヤになった。
本代1万円がパーである。

でも再度、独学で挑戦してみようかと、
真剣に考えている。

何にもならない。

何にもならなくてもいいじゃないか。

もし、仮に、万が一、、仮定ばかりであるが(笑)
資格が取れたとしても、、、
就活に活かせる訳でもない。

無駄なことかも知れないが、
学習するその過程が大事だ。

私のエンディングゲーム。
これこそ、ポジティブ終活じゃん。
(もしかして就活の可能性→しつこい)

と、家族に宣言した。

「また、1万円の本買うの?」と笑われた。

うるさいっ(笑)

終活も就活も完了。

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