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性根の入れどき

みなさんこんにちは。気学Style 西島です。

気がつけば2020年もあと2日余りとなりました。
師走、大晦間近にあって皆様も年越しの準備などお忙しくされておられることと存じます。

振り返って気づけばこのコラムを書き始めましたのが今年の3月からでしたが、そこから12月に至るまであっという間の2020年であった感がいたします。コラムを書き始めて以来、書いて数日経つと次は何を書こうかしらと悩むルーチンで回っていた気配もそこはかとなくございます。


前回のコラムでも書きましたが、今年も本当に多くの方にお世話になりました。

今回のコラムでも改めて皆様に感謝申し上げたく存じます。

気学Styleに関わってくださった皆様、そして一般社団法人縁珠に関わってくださった皆様、ほんとうにこの一年ありがとうございました。

2021年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

こちらのコラムもいよいよ年内最終のコラムとなりました。
今回は師走、12月について少し書いてみようと存じます。

12月

12月は面白い月だと感じます。
「師走」と名のつきますように、この月は年末にあって大忙しで走り回る月とされているのが一般的です。

暦の上では12月には冬至がありますように、この月は季節で言いますと冬のど真ん中の月に相当します。

そしてこの月を担当するのは一白水星であり、十二支の巡りで言えば12月は「子」の月でもあります。

その十二支の「子」、この文字は「一」と「了」が組み合わさったものであるとよくお話ししております。

「一」は始まりを表す一方で、「了」は「完了」と使いますように物事の終わりを示します。
「一」+「了」= …つまりこれは「終わって始まる」ということになりますから、「物事の切り替え」を担当するのが「子」の役割であるというお話になってまいります。

気学上12月という期間は厳密には今のカレンダー上で12月8日頃〜1月7日頃までといたします。この期間の中に今回で言えば2020年から2021年への切り替わりが含まれています。
一つのものを終わらせて新しいものを始める「子」という十二支。
一年の切り替わりもしっかり「子」が担当しているというわけです。

そしてもうひとつ、「子」は読み通り、「ねずみ」です。
師走と呼ばれる時期にあって、人々がちょろちょろとあちこちを走り回って忙しそうにしている様はまさにネズミの姿に重なって感じられます。

そんな12月を「子」が担当するという、この十二支の配置のセンスはとても興味深く、面白く感じられます。

また12月は一方で一白水星の担当でもあります。

この星についてはこのコラムでも幾度か触れてまいりましたが、一白水星もやはり新しい始まりをテーマとする星です。

そして、冬の担当でもある一白水星は、

外の寒気から逃れて家に閉じこもる冬の時期にはしっかりとその先、すなわち新しく来る春やその先のことを考えておくことが大事である

と伝えてくれている星でもあります。

こうしてみてまいりますと、冬という寒い時期ではありますが、12月はとても重要な月であるように感じられます。

正午

さて、話は少し変わりますが「正午」という言葉がございます。

小学校の頃にはすでに習うこの言葉。
もちろん「お昼12時」を示す言葉です。

ところで皆さんはこの「正午」の対になる言葉の存在はご存知でしょうか。

そもそも「正午」に入っております、「午」は十二支の「午」です。
そして、かつての時間の読み方において私たちは十二支を用いておりました。「丑三つ時」「丑の刻参り」などは有名だと思います。

その時間の呼び方の中にあって「午」つまり「午の刻」は11時〜13時です。
そして12時は「午の刻」のど真ん中、いうなれば

「正(まさ)に午」

ということで12時を「正午」と呼んでおります。

そして、そんな「正午」の「対」の言葉 は?
…ということですから
皆様の中にはそろそろぴんと来た方もおられるかもしれません。

そう、「正午」があるなら「正子」もございます。

「正子」は、もちろん「正(まさ)に子」ということで、こちらは正午の真反対、深夜12時を指す言葉です。
とはいえ、言葉として「正子」は今はほとんど使われておりません。
むしろ死語に近いと思います。

ですが、「正子」にはとても重要なポイントが隠されているということを知っておいていただきたいと思います。

音で繋がる

さて、気学においては「気は音から立つ」と言われております。

音とは突き詰めれば物が振動することです。
「命は動くもの」というのが易や気学のモットーなのですが、音、すなわち振動は言ってみれば命の動きそのものと考えることもできるでしょう。

ゆえに、気学においては「音」をとても重要視いたします。

そしてその一環として、

表記が異なる言葉でも音が同じであればそこに通じるものがあると考えてまいります。

例えば六白金星は、易における名前を「乾(けん)」と言います。

そこでこの「乾」=「けん」=権=剣  …に通じるといたします。

六白金星が「権」力者あるいは、闘争(「剣」)をそのテーマに持つのはこのためです。

このような音のつながりは各所に見て取れます。

そして翻って「正子」です。

「正午」が「しょうご」
ですので、
「正子」はもちろん「しょうね」

と読むべきでしょう。

そういたしますと「しょうね」という音、これはすなわち「性根」につながってくることがわかると思います。

つまり、1日24時間ある中で、性根を入れるのは他でもない真夜中の時間(特に0:00)であるということを「正子」という言葉は暗に示しているわけです。

性根を入れるタイミング

実は日々性根をいれるタイミングとは、「子」が担当する1日の「切り替え」のまさにその時間帯なのです。

さらに言うなれば、いわゆる「子の刻」の時間帯は一白水星の担当時間でもあります。時の巡り・月の巡りにおいては「子」・「一白水星」は常にセットでやってくるのです。

振り返ってまとめますと「子」・「一白水星」には

*子:切り替わりの時・終わりと始まり
*一白水星:新しい始まり・先に向けてしっかりと心を決める

というテーマがありました。

「子」・「一白水星」はセットで巡ってまいりますので、「正子」の刻限におけるテーマを総合して考えますと、

物事の切り替わる時期こそ自分の心をしっかりと定めるべきタイミングである

 …という形になってくるかと思います。

一白水星はまた、「寒いところ」「暗いところ」「孤独」などの含みもございます。

ですので、

性根とは、

時期的には切り替わりのタイミングで、そして環境的には寒い頃、あるいは暗い中で一人で自分としっかり向き合っていれて行くものだ

…という、そういう形が見えてまいります。

確かに日々のことで考えましても、明るい中皆と騒ぐ中では本当の性根は入りづらいところがございます。
やはり、深夜、少し照明を落とした中で沈思黙考し自分と向き合って一人で性根を入れる方がしっかり入るでしょう。

そして、これは12月にも同じことが言えるのではないでしょうか。

「一白水星」と「子」がともに担当する12月。
それは「年」という大きな切り替わりのタイミングであり、(暦的に)冬の真っ只中であり、加えて一年で夜が最も長い(暗い)時期です。

これは日々の話で言えばまさに「正子」の刻と同じ状況です。

実際のところ12月・年末年始には、除夜の鐘を聞いて、あるいは初日の出を見て、私たちは改めて何か決意をいたしております。
家族と新年の集まりで新年の抱負を語ることなどもあるでしょう。

これらの動きはとても「正子」的です。

大晦日の頃から年明け正月 …それは新年に向けて思いを改める時期
…普段私たちはなんとなくそう認識しています。

この認識はこれで素晴らしいのですが、
実は私たちの思っている以上に、12月あるいは松の内の頃は決意や抱負を煮詰めて心の確固たる芯棒にする(性根を入れる)作業が非常にはかどるとても大事な時期であると言えます。

「正子」の刻、そして「正子」の刻に似た状況の12月という月はまさに
「性根の入れどき」なのです。

ですので是非、今年はこの機会にしっかりと

来年、あるいはこれから先、自分がどこへ向かいどうしたいのか

を考えて向き合ってみてください。
想像以上に性根が入り、来年になってからの動きが違ってくるはずです。

かくいいつつも、私も多忙さに押されてまだしっかり性根を入れられておりません。

年が開けるまでに、あるいは三が日のうちまでには性根を入れられるよう頑張りたいと思います。


次回の更新は新年 1月4日です。


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