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虚蝉

5月が終わった。
ついさっき、ほんの30分くらい前に。
正直、俺の5月は無敵だったと思う。
好きなことを好きなだけやって興味のあるものだけに集中出来る。
俺が求めていた理想郷は自粛にあった。
周りが「そろそろ人と会わないとしんどいよね〜」みたいな話をしてる裏で俺は一人でコソコソ絵を描いたり音楽作ったり(ほぼ全部未完成)かなり充実していた。

そんな自粛期間も突如として終わりを告げ、リモートで仕事をしていた姉も会社に行くことになった。
いわゆる「日常」が戻りつつあるのかもしれない。
それでも卒制は基本リモートなので俺の生活は5月からそこまで変化はないんだけれど、出来ることなら俺はずっと好きなことを好き勝手にやっていたいと本気で思ってしまった。

一見すると良いことじゃんと思うかもしれないけど、そんな気持ちだけじゃあ腹は膨らまんもので。
仕事、学生ならバイトをして雀の涙であろうともお金を貰わないと何も出来ない。
しかも俺は今年は就活生、バイトをして就活をして卒制をする。
そんなマルチタスクな人間がいてたまるかよと言いたいところではあるけど、みんなそれが出来るらしい。
冗談だろ。

もう21年生きると自分の立ち位置とか能力値とかがある程度測れてしまうらしい。
俺はみんなが出来ることが比較的出来ないことが多いから毎日ちょっと憂鬱で虚しい。
そんなことを吐ける友達も多くないから一人でずっと溜め込んでる。

だから時折こんな場所で長い文字を書いて出来てもないのに発散した気になって満足してる。目が痛い肩が痛い頭が痛いついでに耳も痛い。

こんな俺にも生きる糧があって、その人のためにじゃないけど憧れに近い謎の感情を持ちながら、したくないこともなんとなくして、毎日をなんとなく生きている。
それがある種俺の中の一番の「普遍」の部分であるからちょっと安心してるところもある。

俺は俺が普通の人になりたい。
どんな人かは教えてあーげない。

6月からもなんとなくやってこうね。

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