しょっつる 【ふつうの料理とちょっとした話|vol.6】
知ってしまうと、元には戻れない。
「不可逆」という言葉が、最近頭をぐるぐるしている。
しょっつるも、そう。
これがとてつもない万能調味料であることを知ってしまった。
納豆にちょこっと、しょっつる。
パスタにちょこっと、しょっつる。
塩味が加わるのはもちろん、そこにお魚由来の旨味と風味がプラスされて、そりゃなんかもう、いきなりめちゃくちゃ料理できる人になれるのである。
今では醤油の減りが明らかに鈍り、しょっつるの消費が圧倒的に増えた。
難点は、私の住む小田原市には、中心街のスーパーマーケットでさえ、しょっつるが置かれていないこと。
おかげで、仕事で東京に行くついでに、しょっつるを買って帰るという新しいルーティーンができた。
不可逆と言えば。
昨年秋に小田原移住を決め、2月に越してきてからというもの、ガラガラと既成の概念や私の中の価値観に変化が訪れている。
じんわりじんわりゆっくりと、いろんなものに違和感を感じる今日この頃。
もう何にも手につかないから、さっき海を眺めてきて、今こうしてnoteを書いている。
きっと目を背けられないのだろうな、と悟った気がした。
抗えない何かが忍び寄ってくるのを、不安でもなく、楽しみでもなく、ただ受け止めているような、今ここである。
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