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うしに願いを込めて
2020年は不思議な年だった。
あってないような、ないようで歴史に刻まれるような変な年だった。
昨日、スペインの新聞をみていたら、ふと1つの見出しに目がいった。
「Vete 2020!(どっか行け、2020年)」
Vete. 2020!(ベテ、ドスミルベインテ)。スペイン語で「ベインテ(20)」を早く言うと「ベテ(どっか行け)」に聞こえる。
日本語でいうところの「布団がふっとんだ」「トイレにいっトイレ」のような響き。それを上手く2020年と掛けていた。笑点の山田さんがいたら、座布団5枚あげてくださいと頼んだと思う。
2020年引きこもりのスペイン
2020年3月。スペインは感染者が一気に増え、自宅待機がはじまった。スーパーや薬局など、生活用品を買う以外に外出すると罰金。
毎日外に出られない娘達があきないように、私があきないように、新しいことを考えて遊んだ。
2カ月ほどの間、本業の美容師としての仕事もゼロ。フリーランスの私はその期間、美容師としての収入はゼロだった。
ただ、ライターのお仕事を細々としていた私は、ライター業から収入を得ることができた。そのことが精神的な盾になって私を不安にさせず守ってくれたと思う。
強みを増やすことは万が一の保険になる
20代の頃、美容師の仕事に没頭し、世界中の人の頭を触りたくて4ヶ国で働いた。色んな人種の髪を触り、頭蓋骨の違い知るのがただただ幸せで。スキルを伸ばすのが楽しくて仕方がなかった。
ただ私は、美容師以外にのことについては無知で世間知らずだった。30歳になった時、ふと変な焦りが生まれた。
「あかん…このままじゃあかん気がする…」
長年やっている美容師の多くが行き着く先は、「自分のお店を持つ」ことだったりする。けれど、全く興味のなかった私は、美容師と同じくらいにスキルが必要になる「強み」が欲しくなった。
美容師×○○。この○○が欲しくなった。
そこから、私の○○を探す旅がはじまった。してみたかったこと、興味のあることをひたすら挑戦した。
マッサージ…スペイン語…英語…韓国語…演劇…ボクシング…そして、ライター
挑戦した結果、ライターになりたい!なりたい!なる!なるどー!と、1年半前から挑戦し、今にいたる。
今でも美容師はメインの仕事としてやっているし、辞めたい訳でもない。人の喜ぶ顔をみるとやっててよかったと思う。それに、今でも美容師の仕事は大好きだ。
ただ、「強み」を多く持つことがどれだけ自分の支えになるか、あらためて感じれた2020年だった。
挑戦してよかった
ライターに挑戦して、「本当によかった」と、この2020年は特に思う。
情熱を捧げる何かがあると、人生は変わる。世界も広がるし、新しい出会いも増える。
それに気づかせてくれた2020年には感謝している。
だからもう、ベテ!(行って)
私は今までのように美容師の自分も大切に、ライターの自分はもっと高みを目指して走り続けようと思う。
星ではなく、2021年の干支、うしに願いを込めて。
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