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嫉妬が教えてくれたこと


ひと月ほど前、猛烈に胸の奥を掻きむしられることがあった。

友の、それは美しい姿を見た時だった。
意図せずに目に映った彼女のなんとも言い難い、
女性ならではの美しさ、妖艶さ。
胸の奥がぎゅうとなって、そして同時にものすごく戸惑った。


この感情はなんなのだ。
これは…嫉妬だ。
めちゃくちゃにショックだった。
嫉妬…
いい年齢をした自分が30代の友に嫉妬…
え?ウソやろ?…もうやめて…勘弁してよ…
見事にオタオタした。
するとなぜか突然、前髪が瞼の上あたりにかかっていることが気になって、そのまま洗面所に行き、ハサミを出して自分で前髪を切った。


まだ絶賛オタオタしているのに、少し知らんぷりしながら、鏡に映る自分の顔を見て
(顔ハッキリしたな。スッキリしたな。)と思った瞬間、
わたしの中から湧き出てきた言葉が


【わたしにもあの時代があった】

だった。

そうなのだ、わたしにもその友と同じように、若く美しい時代があったのだ。


でもわたしはその時代を謳歌していない。
自分の見た目に強いコンプレックスがあり、外に出るのが恥ずかしくて、外出前には少しでも痩せて見えるように細部にまで目を配る。
かわいい!着たい!と思って買ったお気に入りの洋服も、いざ着ようとすると、こんな自分にこんな服は似合わない。なんで買ってしまったのかと後悔する。
後ろ姿を鏡に映しては、やっぱり大きなお尻が目立つ…
あかんやめよ…
こんなことだらけだった。

なんとか頑張って外に出たとしても、いつもより余計に緊張して汗をたくさんかいてしまう。
その汗が気になり、人目を気にして、さらに緊張するという悪循環で、通勤だけでもうすでに疲れ切っていた。


女性なら誰しも、おしゃれを楽しみたいし、美しくありたいと願う。


でもわたしは何十年も、自分のおしゃれがしたいという願いを全否定してきた。
太って醜いから食べるなと飢えている身体を抑えつけてきた。
自分の欠点(個性)ばかりを叩いて、素敵なところには目を向けずに生きていた。


あの頃のわたしの悲しい顔が浮かぶ。
胸の奥が苦しくて、とても苦しくなって涙が出てきた。


今思えば、醜くなんかない。
写真を見ても、なんてかわいいのかと心から思う(幸せそうではないけれど)。
なのにどうしてあんなにも卑下していたのか。

人の美しさは、見た目や年齢などは関係ない。
自分を愛し自分の人生を愛している人は、いくつであろうが美しいことは充分にわかっている。
でも、もう二度と戻ってくることのない花の時代を無下にしたことへの後悔と、自分をいじめてきた事実でいっぱいになった。

涙が止まらなかった。


友への嫉妬をきっかけに、傷つけられたまま、ずっと知らん顔をされていたあの頃のわたしを知ることとなった。

もしも彼女のあの美しい姿を見ることがなかったら、きっとわたしはこの事に気づけていない。
なぜならわたしは50歳を過ぎて、当時から15kg以上太っているのに、自分のことが大好きになって、ピンク色の服を着てお出かけもできる。
当時からは考えられない自分になっている。

あの悲しい顔のわたしを忘れたままになっていたらと思うとたまらない気持ちになる。


彼女のおかげだ。
熱い魂を持ち、一生懸命に自分に還る道を辿っている同士なのだ。
だからあんなにも嫉妬するほど美しく、わたしの心に問いかけるように響かせてくれたのだ。

***

いつものように当時のわたしに会いに行き、彼女のそばへ行こうとしても、なかなか近寄れない。
ずっとそっぽを向きながら泣いている。

わたしは泣きながら
『長い間たくさん傷つけてごめんなさい。あなたはこんなにも美しいのに、本当にごめん。ごめんなさい。』

何度も言葉を届けようとするけれど、なかなか届かない。
悲しそうに泣いている。
涙がポタポタと落ちていた。

***

翌日わたしは、その嫉妬した友にメッセージを送った。

あなたの美しい姿を見て激しく嫉妬したこと。
その嫉妬で思い出したこと。
帰ってこない自分への悲しみと後悔のこと。
あの頃の自分がまだ泣いていること。
そして、気づかせてくれて本当にありがとうと。

昨夜のそのままを全て話した。

すると彼女から、魂の言葉、魂のメッセージが返ってきた。


彼女は、わたしの柔らかで大切な部分をそのまま伝えてくれてありがとうと言ってくれた。
わたしが彼女を心底美しいと感じたことも、とても喜んでくれて、そのおかげで勇気が出て、自分の姿を見ることができたと。
そしてジャッジをせずに、ありのままの自分のエネルギーを感じて、美しいと思えたとあった。

この時点でわたしは号泣した。
ジャッジせずにそのままの自分を見る。
これが難しかったわたし達にとって、どれだけ素晴らしいことか。
本当に嬉しかった。


そして、わたしが嫉妬して苦しかったと伝えたことで、
彼女も彼女の中にあった"嫉妬"に気づけたと綴られていた。
気づけてよかったと、何度もありがとうとあった。
その素直で真っ直ぐな気持ちが本当に彼女らしくて、わたしはさらに嬉しくて感謝でいっぱいになった。

そして、わたしがメッセージに綴った言葉以上に、わたしの気持ちを深く理解し汲み取ってくれていた。
わたしの中が彼女のエネルギーでパンパンになるくらい、温かい言葉が並んでいた。
とても有り難く、力をもらえた。
見た目だけではなく、本当に魂が澄んでいて美しい人なのだ。


わたしはその熱いメッセージを何度も読んだ。
ずっと涙が止まらない。
理屈ではない何かが、魂を揺さぶって、心が震えている。そんな涙だった。



すると数日後、いつの間にか、そっぽを向いて泣いていたあの頃のわたしがいなくなっている。

涙は消えて元気で明るくて生き生きしている感じだけが伝わってくる。
あっ!エネルギーが吹き込まれた!と感じた。


あの頃、俯いて歩いていたわたしの中にも、今のわたしと同じ、単純で熱い魂が宿っている。なので、
気づいてくれたんやったらもうええで!となったのだろうか。
それとも友の温かいエネルギーが彼女を癒やしてくれたのだろうか。

確認したくて探すのだけれど、見つからない。
もう大丈夫なのだと感じた。


そしてそれから、わたしのエネルギーの潮目も変わった。
その次の朝、わたしは初めてインスタライブをした。
その時シェアしたいと思ったことをそのまま伝えることに憧れがあったけれど、わたしにはそんなことはムリだと、怖くてできなかった。
でもその朝は、うまく話せなくてもええんやとすんなり思えて、とても緊張はしたけれど、挑戦することができた。

わたしは間違いなく、軽くなっている。


***


まさかまさかの嫉妬。
"見たくない認めたくない勘弁してくれ"の嫉妬は、
わたしに大きな気づきと癒しと、そして友の大きな愛をも見せつけてくれた。


強い嫉妬に限らず、他人の言動行動にザワっとなる時、
誰かを羨ましく思う時、
それはやはり自分自身からのサインでしかない。

自分が何を伝えたいのか、何を訴えているのか。

それに気づくことは、自分の望みを知る大きなきっかけとなる。


過ぎ去ったことをいつまでもグチグチとこねくり回すために昔のことを思い出すのではない。

過去に傷ついた自分は、そのままの状態でエネルギーとなって現在の自分に内在している。
放っておけば、いつのまにかなくなるものではない。
それを癒すことは、その頃のエネルギーを手放して、
自分のエネルギーを"今"に使うためなのだ。


"今"の自分が望んでいることを"今"行動することは、
魂の何よりの喜びになると感じている。

それを積み重ねることで、自分が自分を信頼できるようになる。

それが生きづらさを解消できる方法だとわたしは信じている。

***

自分を一番理解してもらいたい相手は自分。
その相手に知らん顔されているのは辛すぎるから、
感情はこうして教えてくれるのだ。


今回もありがとう。
これからもよろしくね。


そしてマイブラザー
わたしの嫉妬を大きな心で受け止めてくれてありがとう。
感謝を込めて。

【人目が異様に気になる】
というのは、血糖値の乱高下による低血糖の顕著な症状でもあります。
だからわたしもずっと辛かったんです。
わたしは低血糖のケアをした上で、感情を拾い、
自分と向き合って今があります。
ご参考までに。


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