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「きづく。転職相談」代表インタビュー(近藤 奎祐):「配慮はするけど遠慮はしないキャリアコーチ」

略歴

ITベンチャー企業を経て、株式会社リクルートに入社。中小企業を中心に中途採用支援を4年弱経験したのち、株式会社one-recollectionを立ち上げ。採用戦略の立案からエージェントハンドリングなど、採用手法に囚われず企業の採用成功に導く経験を経て、「きづく。転職相談」を立ち上げ。「配慮はするけど遠慮はしない」をモットーに、のべ2000名以上のキャリアコーチングを実施。論理的にその人の強み・価値観を言語化することが得意。ギャラップ認定ストレングスコーチ。

【ストレングスファインダー®上位資質】
最上志向、調和性、着想、分析思考、原点思考


キャリアコーチングをはじめたきっかけ

私がキャリアコーチングに興味をもち、キャリアコーチングを始めたきっかけとして大きく2つの出来事があります。

小さいことを恐れず俯瞰してキャリアを見る大切さ

1つのきっかけは24歳のときです。当時新卒の会社を1年3ヶ月で退職し2社目の会社で働いていたときですね。
新卒の会社では入社してまもなく部門長を任せられていました。ただいまとなっては実力でのし上がったというより、会社が傾いていたこともあって、優秀な先輩社員が次々と辞めていき、初任給でコスパの良い人材を充てがっていただけでした。そんなことは薄々察していながらも、当時の私はおそらく自分の能力に過信していて、『こんな生ぬるい環境じゃ自分がだめになる!』と息巻いて転職しました。
転職先は小さいWeb制作会社で、入社して間もなく大手広告代理店のグループ会社に二次請け的な形で客先常駐していました。ただ先程も触れたように能力は伴っていないため、任せられた仕事もうまく進むことができませんでした。その客先で圧倒的最年少だったこともあり、最初は愛嬌でなんとか乗り切っていたものの次第に限界を迎え、「上司のコーヒーを注ぐ係&電話を受け取る係」に成り下がっていました。当たり前ですが、コストに似合った仕事をしていないので、所属会社からは『おまえは赤字だ!なにができるんだ!』とネチネチと言われていました。
そんなこともあって精神的に疲弊してタバコを覚え始めたときに、たまたま飲む機会があった大学時代の友人から

『転職活動してみたら?』

と何気ない一言。長々と話しましたが、その友人の一言がキャリアコーチングを始めようと思った一つのきっかけです。当時は1回目の転職から6ヶ月ほどで、そんな短期間にコロコロ転職することは良くないという先入観が強くあり、辛いけど耐えるしかないんだと自分を追い込んでいた頃でした。もちろん友人にも、もし転職するなら短期離職になることを伝えましたが『別に求人を見たりする分には何も状況が変わらないんだしいいじゃん』と。
そこから求人を探したりするうちに「いまの会社に固執する理由ないやん」と心がすーっと楽になったのはいまでも覚えています。
今となって思うのは、なぜ小さなこと(短期離職になることへの恐怖)にビビって行動できなかったんだろうかということ。自分ひとりで考えるとどうしても視野が狭くなって、最適な考えが導けなくなります。キャリアコーチングで様々な方をコーチングしますが、視野が狭くなって自分を苦しめている方は多くいます。そのような方に第三者だから見える俯瞰的な視点で、最適な行動選択を一緒に考えていきたいと強く思っています。

成功体験を言語化させられ、自分の強みに気づいた瞬間

上記のような状態から紆余曲折とご縁が重なり、プロフィールにも記載したリクルート(当時リクルートキャリア)社に入社。求人広告を活用して中小企業の採用支援を行う部署に配属されました。
もう1つのきっかけはこのリクルート社での経験です。特に成功体験を言語化させる風土です。リクルート自体が大きな組織なので一概には言えないのかもしれませんが、当時在籍していた部署では週1のチーム会が存在していました。そのチーム会では1週間の自分の仕事ぶりを部署の全員が見れるツールに書き込み、それを発表するという機会がありました。当時はものすごく面倒だった記憶がありましたが、非常に良い機会だったなと今となってはひしひしと感じています。
良い効果だと感じたことは以下の3点。

①なんとなくうまくいきましたという逃げ方は許されないので、
なぜ成功体験を積めたのかを細かく言語化しなければならなかった。
②周りの同僚も仕事を褒めてくれるので、根拠のある自信につながる。
②投稿するネタがないと上司から詰められるので、
自分の強みを活かした仕事を行おうと奮闘する。

ここで上記のような経験ができたことで「あ、この点が自分の強みなのかもしれない」という思う機会が増え、自信にも繋がり、自分で会社を作ろうという行動にまで踏み切れるようになりました。
リクルート社に入社するまで2社ほど経験しましたが、成功体験を言語化して共有し合うような文化の会社ではありませんでしたし、キャリアコーチングを通じて様々な会社の実情を伺う機会はありますが、そういう文化の会社は非常に少ない印象があります。
自分の仕事ぶりを褒めてくれる、そしてその褒めが具体的であればあるほど、本人の自信にも繋がり行動にも移すことができる。そのような根拠のある褒めを行い、自分の強みに気づいてほしいと思ったのが、キャリアコーチングを始めたもう1つのきっかけです。

キャリアコーチングを行う上で大切にしていること

世の中にキャリアコーチングを行う様々な方がいらっしゃいますが、各々が自身の信念や考え方を持ってコーチングを行っています。だからこそ相性はコーチングを受講するかどうかの非常な重要な決め手になります。ここでは私がコーチ・トレーナーとして大切にしていることを書いておきます。

未来は未知なことだからこそ論理的であるべき

私が学生の頃や社会人なりたての頃は「え、未来がどうなるかわかんないんだから、考えたって無駄。その時々でベストを尽くせばいい。」という価値観で生きていました。もちろんその価値観は根底として揺るがないものはありますが、いまは「未来がどうなるかわからないなら、過去の出来事から傾向を分析して未来を予測する」ことを大切にしています。そのように考えることで効率的に行動することができますし、もし想定していない未来がきたとしても一度予測しているから修正を掛けやすくなります。
また、私はよくキャリアコーチングのなかで「キャリアは絵を描くようなもの」だと例えています。

【35歳まで】持っている絵の具をパレットに並べる期間
【45歳まで】パレットに出た絵の具を見てどんな絵が描けるのか、
画用紙に下書きする時期(足りない絵の具は追加する)
【45歳以降】下書きした画用紙に絵の具を塗り完成に近づける期間
※年齢はあくまでも目安です

ここで例えた絵の具とは自身の強み(ハードスキル・ソフトスキル)で、画用紙への下書きとはキャリアプラン、絵とはキャリアが終わったときの状態を指しています。何を伝えたいかというと、自身の強みが少ないまたは強みの自覚がないことは、絵の具の種類も少ないと同義になり、描ける絵のバリエーションが少なくなってしまう。「将来はこんなことがしたい」という描きたい絵があったとしても、持っている絵の具の種類が違うと思ったような絵を描くことができない…。
これらを防ぐためには、現時点ではどういう強みという絵の具を持っていて、その絵の具を使えばどのようなキャリアという絵が完成できそうなのかを知ることです。そのなかで足りない絵の具があれば買い足す(リスキリングや経験を積む)行動を取れば良いので、効率的ですよね。

配慮はするけど遠慮はしない

タイトルにも記載していますが「配慮はするけど遠慮はしない」というコーチングスタイルをずっと続けています。大前提わたしが嘘をついたりお世辞を言うのが苦手というのもあるのですが、一番はキャリアを扱う人として当然の責任だと考えているからです。
一般的には弊社も人材業界に属していると思うのですが、人材業界の仕事はその人の人生を振り回すリスクがある仕事だと考えています。リクルート社在籍時に自身のクライアントの求人を出すときは、そこの社員以上にクライアントのことを知るように全力を尽くしていました。キャリアコーチングも、私の言動1つでその人を左右させてしまう可能性はあります。そのような仕事を行う上で、心地の良い言葉や思ってもいない言葉を発することは失礼ですし、無責任な発言だと思います。もちろん私が100%正しいわけがないですし、最後に決断して行動するのは御本人です。それは理解しながらも、できる限り全力で相談者と向き合って、一緒に悩み、一緒に最適解を探していきたい。このような考えから配慮はするけど遠慮はしないスタンスを貫いています。

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